はじまり。


私は春から大学生になった。

『私、もう大人なんだから自立するために一人暮らしするよ』

そういったはいいんだけど、最近すごくホームシックで。

そう、さみしい!

だって、人見知りなせいか一緒にいる友達もいないし…

そう思っていたころだった。

「…?」

隣の人部屋からなにやらにぎやかな音がするのに気が付いた。

隣の人ははベーシストか何かでしょうか?

バンドマン?

毎晩毎晩、ベースの音がひどい。

あと、たまに歌声。
地味にうまい。

はっきりいって雑音にもなるそれがなぜか嫌じゃない私は何かおかしいのか…

でも、なんだか一生懸命だから、わたしも頑張ろうという気分になれたので、それが嫌じゃなかった。
むしろ好きだった。



でも、最近はとても静かなんだ。

…何かあったのかなー。この階私しか住んでないから苦情や文句もなんか言われないだろうし…

「行ってみようかな?」

よし、そうしよう。
そう思って思い切って部屋を出てみた…


:
:


とりあえず、ピンポーンとインターホンを押してみた。


反応がない。

……あれ?ホンキでやばいか?

ためしにドアのぶを回してみたら開いていた。

「誰かいませんか?」

そう声をかけても反応がなかった。

思い切って中を覗いてみた…。うわ、散らかった部屋。

そして、キョロキョロあたりを見回していたら

「…!」

びっくりして転びそうになった…

床に人が倒れていた!

「だ…大丈夫ですかっ!?」

死んでたらどうしよう、と強めに肩をゆする。
すると、ぴくりと体が揺れた。…生きてたみたい。

じーっと様子を見ていると、口が何かいいたげにパクパクしていた。

「…飯…。腹が減って動けねぇ…」

耳を近づけてみると、今にも死にそうなかんじの声でそう訴えていた。

「ま…待ってて!今持ってくるから!」


このままだと本気で死にそうだったので、私は急いで食べ物をとってくることにした。


確か…冷蔵庫に昨日の夜ご飯の残りがあったはずだ!


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