愛しくて
「なぁ、レディ」
呼んだらなぁに、とふりかえる。
「好きだよ」と言うと顔を赤くして「うるさい」とそっぽを向く。
そんな彼女が可愛くて仕方ない。
「嬉しいんだろ?」
「別に。」
本当は嬉しいはずなのに、本当に素直じゃない。
「君って本当に可愛いね」
そう言って抱きしめてみたけど、特に抵抗して来なかった。
なんだ、なんだかんだ言って、嫌いなわけではないんだな。
「レン」
「何だい?」
名前が上目遣いで俺を見つめる。
「さっきからレディ、レディって…。ちゃんと名前で呼んでくれない?」
「!」
少し頬を赤らめてそう言われる。
「名前」
「なに」
「やっぱ君、俺のこと好きだろ」
「…駄目?」
「全然。嬉しいよ」
ちゅっ
「なっ…何するの?!」
「何?キスだよ」
「馬鹿!」
そのあと、顔を真っ赤にした名前におもいっきり殴られた。
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