子守歌はあなたの声で



「さーて。課題も終わったしそろそろ寝ようかな」

つかれたーと一度うーんと体を伸ばす。
これだけ勉強してればぐっすり眠れるかな?

「…今何時かな」

そう何気なく携帯をひらいてみた。
あぁ…結構遅い時間なんだなと見ると、だんだん眠くなってきた。
やっぱり時計はちゃんと確認しないとダメだな。

「!」

さぁ寝ようかと思っていたら突然携帯が震えだした。

びっくりして携帯を床に落とす。

「…なんだ、電話?誰だろこんな時間に……翔ちゃん?」

どうしたんだろう、こんな時間に。

「もしもし?」

『…あぁ…俺だ…。』

「どうしたの?」

おかしいな。
さっきは眠かったはずなのに、相手の声をきいたら眠気がとんでしまった。

『いや…ちょっと寝つきが悪くてな。少しお前の声を聞きたくなって。いいか?』

「そうなんだ。いいよ」

『!ありがとうな』


少し遠慮がちだった声がぱっと明るくなった。
可愛いなと笑みがこぼれる。

「あ、そうだ!眠れないって言うなら子守歌でも歌ってあげよっか」

『…子守歌?』

「うん。今いいフレーズを思いついたの!」

『…じゃあ、たのむ』

言われると、私はゆっくりと眠くなるように穏やかに歌いだした。



「…どう?眠くなってきた?」

『…あぁ。眠くなってきた。ありがとうな』

「ううん!お礼言われるほどのことじゃないし…聴いてくれてありがとう!」

『あぁ…なんかさ。お前の声とかきいてると落ち着くんだよな』

「そうなの?へぇー…嬉しい!」

『なぁ…また眠れなかったら電話していいか?また歌ってほしいな…って』

「いいよ。待ってるから!おやすみなさい」

『あぁ…おやすみ。また明日な』

会話を終え、携帯を切ったとたん眠気が襲ってきた。

私も、翔ちゃんの声きいてると落ち着くのかもしれないな。


子守歌はあなたの声で
(あなたの声でおやすみなさい)



――――――

Ljud様へ捧げます。
こういうほのぼのした会話いいですよね^^


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