Accident&Kiss！
事故だ。
これは事故。
｢あーっもう最悪。｣
｢ぶつかってきたのはあなたの方でしょう…｣
｢…すみませんでした｣
私が悪いんだ。
まわりをみずにふらふらしていたから。
何かの拍子につまづき、そして目の前を歩いていたトキヤにぶつかりそのまま…キスをしてしまった
｢やだーホント最悪だー！ファーストキスを返せー｣
｢悪いのはあなたです。しかもそんなに嫌がられるとちょっと傷つきますよ…｣
トキヤが不機嫌そうに言った。
ホントはそんなこと思ってないの。
寧ろキスできて少しラッキーとか思ったけど、口が裂けてもいえない。
というかそんな恥ずかしいこといえないわ！
｢私もあなたのせいで気分が最悪ですよ。…どうしてくれるんです？｣
｢うぅ…すみません。何でもするから許してくださいよ｣
｢…え？何でも？｣
言ってすぐ後悔した。
しまった、と。
この人のことだから、何か酷いことをさせるに決まってるじゃないか
｢さて…どうしましょうか｣
｢い…痛いこととかは無しね！｣
｢ふふ、どうでしょう｣
トキヤはそう言ってにやっと怪しく笑って顔を近付けてきた。
ま…まさか…ぶたれる？
そう思って歯をくいしばってぎゅっと目を瞑る。
しかし、そうではなかったようだ。
耳元からそっと囁きがきこえた。
｢…じゃあ、もう一度私にキスをしてください｣
｢…へ？｣
…キス？
｢キス！？｣
｢いいでしょう？どうせさっきしたんです。されるなら、ちゃんとしたキスがいいので｣
そういう問題かっ
｢おや？何ですか、その顔。さっき何でもしますって言いましたよね。嘘をつくのですか？｣
｢…やります！やりますよ！やればいいんでしょっ｣
私が言うと、トキヤは満足そうに笑った。
…しかし、どうすればいいのやら。
緊張してそのまま死んでしまいそうだ
｢あぁ、わかってるでしょうけど…唇ですよ？頬とかにしたらやり直してもらいます｣
｢…ですよね｣
はやくしください、とトキヤは目を瞑って待っている
…あぁ。このままつったってても仕方ない。
意を決して、一瞬だけ唇にキスをした。
｢…これで満足？｣
｢……ふっ｣
｢！｣
顔があつくなるのがすごくわかる。今きっとすごく赤い。
｢あなた…キスが下手なんですね｣
｢うるさいわね！仕方ないでしょ｣
トキヤはおかしそうに笑いをこらえて肩で笑っていた。
｢そんなに笑わないでよ｣
｢っ…すみません｣
｢そ…そういうトキヤは上手くできるのかっ｣
｢…私？｣
じーっと睨むと、トキヤは一瞬にやっと笑って私を自分の方に引き寄せそのまま唇をふさぐ
｢！｣
不意討ちは反則だと思う。
押し返してみたけど、びくともしない。
息が苦しくなって少し口をあけようとすると、すきまから舌が忍び込んでくる
｢ん……ぷはっ…｣
唇が離れると、長いキスのせいで頭がトロンとしてわけがわからなかった
｢感想は？｣
｢…なめててすみません…｣
｢よろしい｣
私の顔をみてトキヤはうれしそうな顔をした。
｢惚れ直しました？｣
｢……！ばっ…馬鹿！そもそも惚れてないわっ｣
私は必死にもがいて腕から離れるとそのまま走って逃げた
惚れてないのは嘘。
ホントは大好き。
絶対言わないけど！
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超ツンデレになった(笑)
二人は付き合ってないけどひそかに両思い？な感じ。
彼女はトキヤの気持ちに気付いてないけど、彼女の気持ちはトキヤにバレバレです。
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