朝寝坊!



〜♪〜♪


遠くの方で携帯の鳴る音がする。

あれ、今何時?

「…?」

ゆっくり体を起こし、目をあけた。
光が眩しい。
あぁ、朝か。

意識がはっきりしないうちに、携帯をとり、電話に出る。


「はい、もしもーし」
『おはようございます』
「んー?…おはよー」


電話に出ると、聞きなれた声がきこえてきた。
あれ…誰だっけ

「誰?」
『誰?…って……その声。寝起ですね。一ノ瀬ですよ』
「あぁ…一ノ瀬…トキヤ!?……ったぁっ!!」
『おや…大丈夫ですか?』

びっくりしすぎてベッドから転げ落ちてしまった。

一体なんの用?

「どうしたの?朝から電話だなんて」

今まで朝に電話なんてしてきたことなんかなかったのに、と不思議に思って質問すると…受話器の向こうから「はい?」という声がきこえた。

『あなた、ホントに忘れたのですか?』
「え?………あっ」

よくよく考えてみた。
そうだ。
今日デートの約束…

「デートの日だ!ごめん!すっかり忘れてたっ!」
『…そんなことだろうと思いました。早めに電話してよかったですね』

はぁ、とため息をつく声。

「ごめんね!すぐ用意するから」
『はいはい…』


トキヤが電話をくれなかったらもっと大変なことになっていた。

感謝しなくちゃね

『…あぁ、そうだ名前』
「ん?」

じゃあ、と電話を切ろうとしたら、トキヤが嬉しそうな声で呼び止めてきた。

『あなた、今日のデート忘れてたんですよね。しかも寝坊して』
「え?…うん…」
『……楽しみ待っていて下さいね?』

ふふふっと怪しい笑い声が聞こえて、電話が切れた。

「えっ。トキヤ!?」





…あぁ…嫌な予感しかしない



*・*・*・*

朝寝坊ネタ。
私やったことないけど、(寝坊しそうだと親に起こされて)いつかやりそうだなー


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