小さな出来事



教室でのある小さな出来事。

「あぁーっしまったな…」

「…」

俺は恋をしている。
隣のやつに。

「どうしよう…」

パートナーでも何でもない。
接点など何もない。
なのに好きになってしまったのだ…

その彼女が今困っているんだ。
話し掛ける絶好のチャンスじゃないか?

このチャンスを逃してはならないと俺は威を決して話し掛けた。

「おい」

「ん?」

「忘れたのだろ?教科書」

「うん…え?見せてくれるの!?」

彼女のかおがぱっと明るくなる。
その表情に、思わず顔が熱くなりそうになるのをおさえる。

「ありがとう、聖川くん」

「困っているやつがいたら手を差し伸べるのは当たり前だろ?」

「うん、ホント助かった!」

たったこれだけのやりとりなのに、なんだろうこの幸せな気持ちは。

今日はとてもいい日だ。

あぁ、神様ありがとう。

「あ、そうだ。今度このお礼に何かしたいんだけど…よかったらら連絡先教えてくれない?」

「!」

神様ありがとう。

教科書、忘れてくれさせてありがとう!


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お題!「教科書、忘れてくれてありがとう」でした。

なんかピュア真斗になった!
難しいなぁ…

Thanks:Chien11


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