猛獣を飼い馴らす。



「よーし!授業おわーり!」

あとは帰るだけ!

そう清々しい気分でいたら、後ろの方からダダダっと激しい足音がきこえて思わずふりかえる

「名前!大変だー!」
「あ、翔ちゃん」

よっぽど急いでいたようで、息がとてもあがっていた。

「どうしたの?」
「砂月が、逃げ出した」
「えっ」

な ん だ と

大変じゃないか。

「いったいどうして」
「いや…ちょっとした拍子に眼鏡が落ちてな…眼鏡をかけさせるタイミングを伺ってたらいつの間にか」

あぁ、恐ろしいと翔ちゃんが顔を青くていう。

「よし、じゃあ二人でさがそっか?二手にわかれて」
「名前…!ありがとう」

学校が破壊されたら、困るもんね!


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そうはいったものの、すぐ見つかるはずがなく。

「翔ちゃんみつけたかなぁ」

歩くのに疲れて、ペタッと地面に座り込む。
そのまま俯いていると、地面に大きな人影が見えた。

「?」

ゆっくり顔をあげると…

「よぉ」
「…さ…砂月くん!?」

どこから現れたやら。
自分が探していた人物がいた。

「ちょうどいい…疲れたから膝貸せ」
「え!?…あ!」

いいよとも何も言ってないのに、砂月くんは寝転がって私の膝に頭をのせた。

沢山暴れて疲れたの…かな?

「砂月くん…?」
「……」

いきなりのことであわあわしてたら、いつの間にか寝息が聞こえてきた。

綺麗な寝顔だな、とふわふわと髪を撫でてやる。

「…どうしよう。動けなくなっちゃった」

見つけたら眼鏡掛けるからよべよ!と言われていたけど、まぁいっか。

なんだか幸せな気分だからこのままでいいかな。






(次の日、学校に行ったらクラスで猛獣使いだ!って恐がられたけど、何で?)

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ヒロインに甘える砂月?wヒロインの前ではおとなしい砂月が書きたかったんだ…

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