もやもや




「やぁ、レディ」
「わっでた!」
「そんなに身構えないで。何もしないよ」

今、私はちょっとした用事があってパートナーの部屋にきている。

私のパートナーはこの男ではない。

この部屋のもう一人の住民、聖川様だ。

「しかし、女の子一人でこんな男の部屋に来るなんて。キミってホント無防備だよね」
「違う。ちょっと打ち合わせがあって。てか、真斗くんはそんな変なことしないもん!」
「どうだかねぇ」

ホント、この人は苦手だ。
真斗くんといるといつもつっかかってきて。

「ねぇ。名前。あんなやつやめてさ、俺にしない?」

「はぁ?何の話し?」

「わかってるくせに。そろそろ答えをきかせてほしいなぁ」

「何回も言ってるじゃん。この学校恋愛禁止じゃん」

「俺はばれるようなヘマはしないさ」

「そ…それに、もし私が恋人みたいになったりしてもほかにも女の子はたくさんいるんでしょ?」

「そんなことないよ。一人は寂しいから一緒にいてもらってるだけ。キミが俺の気持ちに答えてくれれば、もうキミしか見ないよ」

「っ…」

言ってるあいだに、いつの間にか壁ぎわに追い詰められていた。
ホントに…諦めの悪い人…ね

そして、目が本気だ

「なんでそんなに俺を否定する?俺のことが嫌いなのかい。それとも…あいつが好きなのか?」

「!まさかっ。真斗くんは大切なパートナーよ」

「じゃあ…俺は?」

「!」

大嫌いよ、そう言えば終わるはずなのにあんまりにも悲しそうな顔をするものだからそんなこと言えなかった。

だって、本当は私

「そ…それは…」

言おうとしているあいだにも、どんどん顔が近づいてくる。
やばい…このままじゃ…





「名前!すまない。遅くなった!」

「!!真斗くんっ」

そんな所にちょうどよく息を切らせたパートナーが部屋に入ってきた。

私は思わずレンの体をのけて真斗くんに抱きついた。

「なっ!どうしたんだ名前」
「わーん。こわかったよ」
「おい、神宮寺。お前、こいつに何をした?」
「…ちっ…別に何もしてないよ。」
「…まぁ、いい。あとでじっくり聞くとしよう。とりあえずお前は部屋に帰れ。打ち合わせはまた今度だ」
「うん」

私は真斗くんにかばわれながら部屋を出た。


ホント、あの人は苦手

苦手、苦手だ。

だって一緒にいるとなんだか胸が苦しくなるの。

あっさりとあいつの思い通りになっている。

そんな自分が悔しくて

真斗くんが知ったらどうするかなぁ。
呆れられちゃうかな。


とりあえず、この気持ちをどうにかしたくて仕方なかった





(なぁ。聖川。お前なんかにあいつは渡さないからな)
(?何の話しだ)
(わからないならいいさ。そのうちわかるよ)



--------

名前→←←←←←←レンなイメージ。

真斗と名前はパートナーとして仲良しです。
恋愛感情は無いです^^
名前の保護者みたいな存在?

でも、あんまり仲いいから二人は恋仲か、と思って焦り本気でレンが狙ってる的な…

真斗ルートでレンがめっちゃ絡んできて面白かったのでそれを思ってかきました!
拍手



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -