もしもし、



淋しいな。

最近お仕事で全然会えてないし…

声ききたいな

でも疲れてるし迷惑かなぁ

そんなことを思ってたら、丁度よく携帯電話が鳴り響いた。

私はびっくりして勢いよく携帯電話を机から取り上げる

「あ…」

思わず涙が出そうになった。
声をききたいという願いが届いたのか、名前を見ると愛しのあの人の名前

「もしもし」
『もしもし、名前ちゃん?』

電話の向こうから聞きたかった声が聞こえる

「なっちゃんだ」
『はい。すみません、夜遅くに。声ききたくなっちゃって…寝てましたか?』
「ううん。大丈夫。嬉しい」
『そうですか!よかった』

なんだ、寂しい気持ちは一緒だったんだ。
そう思ったらもっと嬉しくなった。

『明日ね、仕事でお休みをもらえたんですよ』
「ホント?」
『えぇ。だから二人でどこかに出かけたいなぁと思って。どうですか?』
「いく!私も明日休みなんだ」

嬉しいな。
今日はホントに嬉しいことづくしだ。

『じゃあ、どこに行きましょうか。考えておきますね』
「うん、楽しみにしてるね」

久々に声をきいたから、会話がどんどん進む。
でも、そろそろ切らなきゃいけない時間。

『あ…もうこんな時間ですねぇ』
「ホントだ…切りたくないなぁ」
『でも、明日出かけるのでしょう?夜更かしはだめですよ』
「うん…」
『また、朝も電話しますから…ね?あ、そうだ名前ちゃん』
「ん?」


聞き返した次の瞬間、受話器からチュっと小さなリップ音。

!!
『おやすみのキス。ホントはちゃんとしてあげたいけど…今日はこれで我慢です。』
「…もう」

顔が真っ赤。
胸もドキドキ。

どうしてくるれるのよ

「私もお返し!」

そう言って、さっき那月くんがしてくれたみたいに受話器ごしにキスをする。

『ふふ。ありがとうございます。今日はぐっすり眠れそうです。明日はちゃんとしましょうね?』

受話器から嬉しそうな声が聞こえた。
ドキドキさせようと思ってやったのに逆効果だったみたいだ。

『あれぇ?なんか怒ってますか?』
「別に」
『そうですかぁ?じゃあまた明日。おやすみなさい』
「うん、おやすみ!」



そうは言ったものの、楽しみすぎて楽しみすぎて。
その日はなかなか寝付けなかったのでした。





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電話越しにキスがやってみたかっただけ^^

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