手をつなごう



今日はとても寒い日だった。
なんでも、今年一番の寒さだとかなんとか

「寒いね…」
「あぁ。これはいじめだ…」

厚着をしているのに、翔ちゃんはぶるぶる震えている。

「ほら、」
「え?」
「え?じゃねえよ。手。温めてやる」
「あ、ありがとう」

手を差し出すと、引き寄せられて、ぎゅーっと手を握られる

「うわっ。お前どんだけ冷たいんだよ。」
「ずっと歩いてたからね。翔ちゃんは凄く温かい」
「それは、温めてたからな。」

そういえば…こうやって手握って貰うなんて久々だな。
こんなに大きかったっけ

「お前の手、こんなに小さかったっけ?なんか…可愛いな」
「っ…そ、そんなことないよ」

翔ちゃんは私の手を確かめるように指を絡めたり触ったりしてきた。

あぁ、顔が熱い。

「しょ…翔ちゃん。もういいよ。温かくなったからさ」
「…駄目。俺が満足してないから」
「!」
「そうだな…お前がキスしてくれたら離してやってもいいぜ?」
「!なっ…」

「…へへっ。なーんてな。冗談…!」

一瞬だった。
あとで後悔した。

「お前…不意討ちは反則だろ」
「えっ…あっ!ごめん、つい」

離れた手がなんだか淋しくて、思わず引き寄せてキスしてしまった。
二人して顔が真っ赤だった。

「でも…温かくなった?」
「なったよ…暑い位だ」

翔ちゃんは私をぎゅーっと抱き締める。

「もう…ホントお前可愛すぎだろ…」
「翔ちゃんのが、可愛いよ」
「うるさい」


今日はなんだか温かかった。
今年一番の冷え込みというのは嘘だったみたいです

****

イケメンな翔ちゃんと甘い夢を目指した結果がこれである。
文才ほしいわっ!
手の大きい男の子にときめきます。

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