もう、すっかりと静まってしまった深夜。

「会うの、久々だね」

私は静かな海辺にいた。
レンと一緒に。

「あぁ…。悪いね、こんな深夜に呼び出したりして。」
「ううん、いいの!レンに会えるならいつでもかまわないし」
「そうかい、レディは本当に可愛いね」

ずっと会いたかったのに、デートとかしたかったのに相手は人気アイドルだ。
簡単にかなうはずもなく。
デートとまではいかなくていいから、ちょっと位二人でお出かけでもできたらなぁと言っていたのを覚えていてくれたんだと嬉しくなって、時間なんかどうでもよかったんだ。

「喜んでもらえてよかったよ」
「うん!」

暫く、たわいもない世間話をしながら海辺を歩いてみた。
久々に会うということもあってか、話が途切れることはなかった。

「ねえ、せっかく来たんだし…こんなところじゃなくて浜辺に降りてみない?」

そう言って浜辺に降りてみると、綺麗な海水のせいだろうか、なんだか気分が舞い上がってしまう。

「レディ、はしゃぐのもいいけどほどほどにしないと風邪をひくよ?」
「大丈夫!レンも来なよ!楽しいよ」

気分が舞い上がったまま海水に足をつけ水遊びをはじめる。

大丈夫だ、と調子にのっていると不意に足がふらついてしまう。

「あっ!」

そのまま倒れてしまうのかと思ったら、あわてて飛んできたレンに体を支えられ、代わりにレンが海水に浸かってしまった。

「…危ないよ。びしょ濡れにでもなったらどうするんだ?」
「…レンもびしょ濡れだよ?」
「俺はいいんだよ」

そういい、立ち上がったはいいが砂浜に足をとられさしだした私の手もろともバランスをくずして倒れてしまい私も海の中に倒れるはめになった。

「…結局濡れちゃったね?」
「…あぁ…情けないな」

しかも、なんなんだろうこの体制。
まるで押し倒されてるみたい。

「……」
「……」

その体制に気まずくなり、しばらく二人して無言でみつめあった。

「……ねえ…レン…っ!」

痺れをきらして声をかけてみたら、言葉を遮るように唐突に唇をふさがれた。
しかも、軽くではない。何かをごまかすかのように熱く激しい口付け。

「ん……はぁ…っ…ちょっと!」

さすがに苦しくなり、軽く胸を叩いてやるとはっとしたように動きが止まる。

「…悪い」
「どうしたの?いきなり。別にいいけどびっくりした」
「いや…水に濡れたレディを見てたらなんだかすごく色っぽくみえちゃって…」

ほら、あうのも久々だしね?
とレンが困ったように笑った。

水に濡れるレンもなかなか色っぽいよ、そういいたかったけど恥ずかしくて口になんかできなかった。

「…ねえ…してもいいかい?」
「…こ…ここで!?」

よっぽどなのか、驚きで固まっているとするりと服のあいだから手が忍び込んできてあせった。

「ちょ…ちょっと待って!その前にお風呂にはいらない?このままだと風邪ひくよ?」

レンは動きをとめてばらく考えこんだが、何かいいことをおもいついたように悪戯そうに笑った。


「あぁ…そうだね。これは俺のせいでもあるし…せっかくだし一緒に入ろうか。綺麗に洗ってあげるよ。」
「!」

さらりと自然なながれで言われ、顔が赤くなるのを感じた。

「きょ…今日だけだからっ」

「嬉しいよ、レディ。明日は仕事がないからね。今まで構ってあげられなかったぶんたっぷり可愛いがってあげる」

恥ずかしいながらも、これからされることに少しドキドキしている私はそうとうやられてるなと思った。

夜に溶ける

――――――

あやめ様!大変お待たせいたしました!
大分時間たってしまい申し訳ない…。
リクエストに添えていますでしょうか(;^_^A
深夜の海辺でのラブラブデート…になってますかね?w

頑張ってかきあげましたので気に入っていただけたら幸いです!
リクエスト本当にありがとうございました(*´∇`)

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