9.


   ねぇ神様、あの子は誰の子?


   一軍に入りたての頃、まだぎこちなかった、黒子テツヤというひとつのパズルピース。バスケをする為の体力・技術共に他のピースとの差異が大きく、中々馴染めずにいたけれど。それが最近だんだんとハマりつつある状況は、同じチームメイトとしても、弱っている彼を見つけた言わば保護者のような自分としても喜ばしいはずなのに。

「テツ!」「黒子」「黒ちーん」彼を呼ぶ仲間達の声に反応して彼らを見つめる、俺が見つけた大切なあの子。なんだろう、この胸の奥に広がる焦燥感、喉に何かがつかえたような閉塞感。気持ち悪い、こんなにも苛立ってもどかしくて。何故あの子ばかり、自分の瞳が追ってしまうのか。あの子が沢山の瞳に晒され、あの子も沢山の瞳と線を繋ぎ、俺だけが独占出来るものではなくなって。

   心がおかしくなる。眩暈がする、吐き気もひどい、視界が歪む。こんな苦しい想いをするなら、あの時あの子を見つけなきゃ良かった、


「赤司君!!顔色が悪いですよ……どうしたんですか?」


真っ赤な嘘まで、つきたくなるほど、


「黒子君……お願い、俺だけを見て」


“ひとりじめしたい、テツヤは僕のものだ”



あの子は僕の子 / ひとみもこころもひとりじめ









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