暇人 | ナノ

※平和です。



ゲームをしていた。別にやりたいからしていたとかでは無くて、そこにあったから。近くにあるものを触りたくなるのは人間の性とも言うが妖怪も一緒だと思う。だから、イタクが買い物に出掛けている最中に暇潰しということでリクオ様が置いていったであろう(否、忘れていったであろう)ゲーム機に触れた。
一回、カチカチとどこか十字のボタンを押せば音が鳴り、主人公であろう武将が敵を殺していく。ゲームだからこそのクオリティなのか、返り血はドロリと主人公にこべりついてはいなかった。まあ、本当だったらこの主人公はかえり血でびしょびしょなんだろうなと考えていた。
考えながらも無心で前に進んでいくと、
ラスボスのような敵が現れた。
あ、リクオ様が言っていたことがある瓢箪型のアイテムを手に入れつつ相手を斬り続ける。そんなことをひたすら繰り返していれば、必殺技なんてものが出来るらしい。

「おい、何してんだ。お帰りとかも言えないのか、手前」
帰宅していたのかイタクは眉間に皺を寄せこちらを睨んでいる。あ、怒らせたな、と何処か他人事のように思っていれば、口吸いを迫ってくる。

「っん…」

いきなりのことに目を開くがイタクをこれ以上不機嫌にするのも後々面倒だろうなと思い自分から舌を絡ませていた自分を笑った。

何してんだろうな、俺は。
「おい、俺のリクオにもらった飴玉食っただろ」

「、暇だったから。手の届く範囲内にあった」

あーもう、いいやお前。と俺に突っ掛かるのに面倒になったイタクを前に、ゲームの方が面白いなと言ったら、苦虫を噛み潰すような顔で、

「それにしても、ヤバい顔でゲームしてたから、もうやめろよ。普通に人が殺せそうだった」



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あれ、イタクたちはゲームなんか知らないだろうな
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