噛め、そして殺せ | ナノ


※少し歪んでいます



ちりんちりんと音を出す鈴が一つ、俺の首輪のようなものに付いている。
何で、首輪が付いているのだろうかと考えるが多分、臨也によって付けられたものなのだろう。 原因は、自分にも理解できないが。
彼奴は、不安なのかもしれない。独りになることが。辛い思いをすることが。
誰かを見下して、自分が頂点に立っていないことが。それなのに、蚊帳の外にいようとすることが。
最初は、臨也を理解しようなんて思ってもみなかった。ただ、偶々臨也を見掛けたときにとても悲しそうで消えてしまいそうな瞳をしていたのを目撃してしまった。それからだ、俺が臨也を理解してみたくなったのは。壊れものに触れるような瞳と態度に変わったのは。臨也にとってみれば、その変わり様が気に入らなかったのかもしれない。プライドは人並み以上に高いと自負しているからな。同情されたとか憐れんだ目で俺を見るな等と思っているのだろうなと勝手に考えてみた。 それはそれで臨也を苦しめることが出来るのだから俺にとってみれば一石二鳥この上ない。臨也の苦しんだ顔、臨也を理解したい自分の気持ちをの二点セットだ、気持ちが良い。それを見る度に身体を好きなだけ使わせているのも他人からみれば頭がおかしいことをしているのかもしれない。でも、何故だか自分と似ているようでほっとけなくなったのは事実。

「静ちゃん、首。」

臨也が急に口を開けた。だけど首だとかそんな主語だけでは分からない。なんて言っても先程まで一言も言葉を交わしていなかったからだ。

「首って…首輪のことか?この鈴の付いている」

「違う、首噛みたいんだけど」
全く意味が分からなかった。何で噛みたいんだよ、とか首を噛むなんてどういう性癖してるんだよとか。
それで、欲情してくれるなよ…と首を噛んだ後のことを思いながら、別に良いと言った。

「ん…」

分かったという了解の合図なのか一文字だけの返答をしてきた。

「っあ…んぅ、」

馬鹿野郎急に噛み付いてくんな。まあ、噛み付く許可は出したがそんな突拍子もなく噛むんじゃねえ。

「ねえ、静ちゃん。このままさ、力を入れて噛みきったら静ちゃんは死ぬのかな。死なないのかな…死なないよね、静ちゃんは強いんだから絶対にさ…だから殺す、本気で噛み殺したいなあ、本当に」

「止めろよ。俺は手前を殺すまでは絶対死ねねえんだ、」

「あはは、それってずっと一緒に居ようて言ってる?」

臨也は、歪んでいると思う。予想だが臨也は俺のことを嫌いじゃない。死なないと思っているから殺るんだよな。
俺は手前が死ぬまでズタズタにしてやる殺してやる殴り続けてやる。

「いった…くそ、離せっ」
甘噛みされるかと思いきや本当に噛み殺されそうにするとは。

「静ちゃんの首筋好きなんだよね、殺してやるよ」

(糞、それなら手前の首にも噛みついてやる)

がぶっ…ん、ぢゅるり。

双方の噛んだ首から血が流れてきた。これが毎回続くのならいずれは互い死ぬのだろうか。等と馬鹿なことを考えながらどちらからとも言えない噛みつきを交わしていた。これがキスなら甘い恋人同士の戯れだったのだろうがな。


噛め、そして殺せ


このような素敵企画に参加できて凄く嬉しい限りです。ありがとうございます。このような素敵企画に私のような文章が…等と思いながら参加させて貰いましたありがとうございます^^
遅くなってしまいすみませんでした。
本当にありがとうございます。

無垢/白虎
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