発覚気持ち好きなんて | ナノ



大切な大切なものを一つ一つ見つけていけたら、って思うんだよ。
例えば、このくらいの年代がしそうな恋愛で大切なパートナーを見つけるとか。馬鹿みたいな考えでも、それだって大切なものなんだから。だから、小さい頃に夢を見ていた綺麗なお姫様だって見つけようとすれば見付けられるんじゃないのか。まあ、そんなのは夢のまた夢だけどな。
だから、俺は大切したいと思った奴を大切にする。
一度でもそう思ったらそいつを大切にしてえ。とか本来の自分には出来ないことをしたいとさえ思ってしまうときだってあったって良いだろう?

「やっほー、そんなところで何やってんのさ静ちゃん!」

ああ、来てしまった。最初から大嫌いだった奴、両者とも互いに嫌悪し合っているのは奴も知っているんだからそうそうに自分の前から消えて欲しい。

「臨也、手前は…何度言ったら分かるんだよ!俺は手前が好きじゃねえし、手前も俺が嫌いだろ?なら二度と関わるな、姿を見せるな。そんで死ね!」

馬鹿か!とか臨也に向かって言おうとした。馬鹿と言う奴が馬鹿なら俺は馬鹿でも良いからな。そんなに、親が与えてくれたこの一瞬一瞬を害されたくない。

「あのさあ、静ちゃんが言っている言動を思い返してみなよ。死ねだの殺すだの言っている割には実行しない、いや出来ないだろ?それに、静ちゃんは俺に大嫌いだなんて一回も言ったことがないよね。好きじゃないだけで、嫌いでも無いんでしょ。そこんとこハッキリしてくれれば、俺と顔を合わせる頻度がたちまちぶわーっと消えるかもよ?」
臨也が言っていることは正論だ、実際のところ俺は彼奴を大嫌いだとは思えねえ気がする。
臨也を見る度に胸がきゅーっと締め付けられた感覚がしたのを覚えてるんだよ。最初は、俺って自分が思ってた以上に嫌ってたんだなと考えてたんだが、新羅の奴に恋だの、僕がセルティに感じる締め付けと同じだね!とか言われてから臨也のことを嫌いって言えねえようになっちまったんだよな。

「俺は、手前を好きじゃねえ」

そうだ、好きなんかじゃない。だけど嫌いとは思わねえんだよな。

「だから答えになって無いんだけど。」

「だからよお、多分だけどな…、てか情報屋なんだからそれくらい分かれよ!」
「静ちゃん、それ横暴だよー。」





(手前のことが好きだなんて、な)

(静ちゃんが俺を好き?、あはは笑えるよねほんと…)


発覚気持ち好きなんて/0420

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