悪戯愉しい試みを | ナノ


寝癖が見たい。静ちゃんの寝癖見たいなあ。ぴょんぴょんわさわさ髪が無造作に跳ねている静ちゃんが見たい。
何故かは知らないがそう思った。本当に何故かは知らない。ただ、その髪型を見てでかい声で笑いたかった。むかつくほど高くうざく笑ってやりたいと思ったからだ。

「あーあ、間抜けな顔をしてるなあ。」

今、この部屋には自分と静ちゃんしかいない。まあ、静ちゃんが間抜けな顔をしているのは、無防備だとかそういう訳じゃあないんだろうけどさ。まさか、大嫌いな俺なんかが家に入っているのだと思わない馬鹿な頭のせいなんだろうけどさ。まあ、軽く窓を外側からちょちょいとすればお手のものなんだけど。それにしても何でこんな寒い日に腹出して寝れるのかなあ。本当にそれが疑問だよ、馬鹿ならではなのか?それとも自分は背が高いからと自慢してるのかな、まあ腹が出るということは、胴が長いという証明のようなものだけど、
綺麗な割合が一番良いと思うんだけど。俺みたいな黄金比が理想的。あ、でも俺は足が長すぎるみたいだけど。

「ねえ、静ちゃん。つまんないんだけど…」

まあ、早く静ちゃんに起きてもらって驚いた顔を見たいなあ。あ、起き上がったときに、寝癖とか見れるよなあ。とか色々なことを思いながら寝ている静ちゃんの頬をつねる。あ、この顔、ブサイクだなあとかなんか頬の肉柔らかいし可愛い気がするとか普段考えてもいないことがもんもんと頭に浮かぶ。まあ、俺が静ちゃんを可愛いと思う瞬間なんて存在しないけど。

「、ん…」

「起き、てないな…」

でもさ、頬をつねっても起きないってどんな神経してるんだよ、もっと敏感になればいいのに、人に対して。ま、全てに鈍感な静ちゃんに敏感は無理か。
本当にこの身体は何をしたら死んでくれるんだろうか。刺すモノは効かない、銃で撃たれても効かない…薬だってこの調子だと効かないだろうし。切実に、死なないかなあ…

「、まあ。暇じゃない俺を退屈させた静ちゃんには、あれだね。悪戯しても良いとかそういうことかな。」
目的のぴょんぴょんな寝癖は見れなかったけど、間抜けな寝顔が拝めたし、まあ良いよ。それより、あれだね、俺が来た跡を残して置かないと面白味が欠けるよね…
あ、!

「よし完璧っと、…静ちゃんじゃあね!」

俺の目前には、前髪を白いレースが入った ピンク色のシュシュで束ねる。そして、悪戯用にとあらかじめ用意をしていた化粧品で女のように肌や唇や頬紅、目元などを綺麗に化粧をした。いやあ、知識があって良かったなあと思う。
元が良いから、本当に女みたいだし。誰が見ても可愛いと思うできばえだ。いや、寧ろ綺麗だよ。あーあ、これが静ちゃんじゃなければなあ。
まあ、どうだって良いや写真撮っておこう。
後に面白いことが起こりそうだし。

ふっふー、らんらんと微笑みながらスキップをして静ちゃんがよく観察出来る方へとビルの屋上へと登っていく。
さあて、今日の池袋は、休日がないよ。うん、良いね。
ああっ、楽しみだなあ楽しみだなあ!
もう、早く静ちゃん起きないかな。今日は、朝から取り立てがあるんだよね、もう少し。あともう少しで、あと一時間で静ちゃんが起きる筈。起きたときにすぐ俺を捜してくるだろう。うん、その内に色んな仕掛けをしよう。
死なないなら死にたくなるような屈辱を味あわせてやらないとさあ、不公平だよね、さあ。
生き地獄を…


悪戯愉しい試みを/0410
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