断固拒否する口内炎め! | ナノ



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口内炎なんて、糞くらえっ!!
はあはあと息を切らしながら、人っ子一人いない道路で一人叫ぶ平和島 静雄がいた。
静雄が怒っているときは、誰も寄らないし、話をかけるなんて自殺行為なことはしない。
静雄は、昨夜に口内炎が出来たことに気付いた。
偶々、昨夜は臨也と情事中だったので、口内炎の存在に嫌でも気が付いてしまったと言った方が、鈍感な静雄には正しい言葉なのかもしれない。
気付かなければ、痛みなんて感じなかったのか、と考えたが直、何もせずとも痛みを感じることになるので、まあしょうがないかと腹を括る。
静雄は、自分に口内炎が出来たのは、幼少時代振りだと思った。


*****

昨夜、臨也と情事中の時の話。

くちゅくちゅと室内で唾液が交わる音が聞こえる。
止めどなく聞こえてくる厭らしい音に耳を手で覆っていたとき、っつ―と口内で痛みが生じた。
最初は、臨也が奥に奥にと深く口付けをしてくる行為かと思った静雄は、思い切り臨也を自分の口から引っぺがし、ぶん殴る。

だんっ
という臨也がベッドの端に頭をぶつけた音がする。静雄は、どうやら手加減はしたようだなと臨也の頭を見る限り思う。
「おい、唇の裏側噛んだろ、手前!」
唇の裏側から凄くキツイ痛みが生じたと臨也に訴える静雄は、キレる寸前といったところだった。

「は?噛んでないけど。」
臨也の表情はいつもとは違う本当に何も知らないといった表情だったことに静雄は気付き、
「…まじで、噛んでねえのか?」
と完全なる疑いの目から半信半疑に変える。
「そんな色気ないことすると思うか?静ちゃんじゃあるまいしね。…ちょっと下唇捲ってみてよ。」

臨也が何を思ったのかを理解出来ていないが、真剣に訴えてくる目を信じ自分の下唇を捲る。
「あー、これ口内炎だ。…たく、栄養偏ったものばかり食ってるからだ、少しは栄養のある物をとらないと口内炎よりも酷い病気に係るよ。」
いつになく、淡々と喋る臨也だが少しだけ、心配してくれている物腰だった。
静雄は、そんな臨也に、俺を言う。
「…心配してくれて、さんきゅーな。」
「は?心配なんかしてないから。それより、俺が静ちゃんを殺すのに病気に邪魔なんかされたくない。それだけだ」
本当に、照れてるか照れていないかはすぐ分かる奴だなと静雄は心の中で思ったあと、これ以上問い詰めたら喧嘩するんだろうなと自分にとっては難問の自制をかける。

「あー、わかった。それより、もうキスとかしたくねえんだけど?」
情事中だった訳で、これより先には、普段通りの行為が待ち受けられている。
キスすると、とてつもないキツイ痛みを感じる。あの、痛みには耐えられないと言った声音で臨也に声を掛ければ、
「…わかった、今日はキスしないから。あ、でも最後までさせてよ。」
行為中は優しい臨也は承諾してくれた。
まあ、心配してくれてんだよな…と自分の中でも結論付けされるがままになる。
乳首を丹念に舐める臨也の舌触りに一々感じてしまう自分が我慢もせず、声を出そうとしたとき、

「んあっ…ぐあっつーーー!!」
色気の欠片もない、甘いムードをぶち壊す声が響き渡る。
臨也は、怪訝そうな顔をして、
「おい、もう少し色気のある声してよ、萎えるってば。」
「うっせ。今、自分の唾液が口内炎に、こうグサ―っと刺さってよ、・・・あ、もう俺これ以上したくねえ」
「は?普段、ナイフの掠れたときよりか痛がるってその身体どうなってんの?」
臨也の言葉がどんどんきつくなっている気がする静雄は、言葉を頭で考えてから放つ。
「いや、さすがに口内までは筋肉つかねえよ。まじで悪いって。」
「あっそ、もういいや。じゃ、帰るから。」
臨也は少し肌蹴ていたシャツとズボンを直してからコートを着て、玄関先まで向かう。
「まじで、悪いって言ってんじゃねえか!理解しろ、っんのノミ蟲!」
そろそろ、自分にも抑えが効かなくなった静雄は臨也が出て行った玄関へと暴言を荒々しくはいた。
そのあとに、
「口内炎なんて、嫌いだ死ね!」
と、この日を楽しみにしていた自分の心境放つ。

*****

朝、起きたら玄関のドアノブに薬局のビニール袋が掛っていた。
何かと、思い見てみると、
ビタミン剤や、口内炎の薬などが色々入っていた。
塗るタイプから飲むタイプまで、薬局にある口内炎の薬全種類が揃っているのではないかと思うほどの量が入っていた。
「早く治せ。あと、塗るタイプはあんま使うなよ。キスしたときに薬舐めてるみたいで吐き気がするから」
と綺麗な字で書かれているメモがあった。
「…あんがとよ、臨也」
薬にも嫉妬する臨也をみれて、口内炎が少しばかり嫌いではなくなった気がしたが、キスがまともに出来ず行為もまともに出来ない口内炎はやはり好きにはなれないのだと思い返した俺の朝であった。

仕事場に行き、昼をトムさんに奢ってもらい、取り立てに行く。
今日は少なくすんだと思い、トムさんと会話をしているときに、

グサ―と口内から痛みだす。
「そうなんすすっっ!!」
そうなんすよね、と同意の言葉を言おうとしたときに、痛みを感じ涙目になる。
「おい、どうした静雄?」
心配したトムさんが静雄を見上げる。
「口内炎が痛いんすよね」
「あー、口内炎か。あ!昨日貰ったレモン系の飴食うか?」
「いえ、なんか何も食べたくない気分っす。」
「でも、家かえったら食えよな。偏食のせいかもしれねえからよ。」
「ありがとうございます、」
「今日は、終わりだからもう、先に帰ってもいいぞ。」
優しい上司に恵まれている自分に心から謝礼をしてから、家へ向かう。

家へ向かうときの道路で猛烈に口内炎が痛くなり悶え死にそうにしていた静雄は、
「口内炎なんて糞くらえっ!!」
と言葉を放ち、踏ん張って家に帰る。

「ああ、やっぱり口内炎なんて、嫌いだ。死ね、早く治れ!…そうだ、臨也に貰った薬でも飲むか」



断固拒否する口内炎め!/0325



またまた、口内炎ー
本当、良いです。楽しいです、そして、口内炎が人気ありましたね、はい!
皆様、大好きです← 一緒に口内炎について語りたいです、
続きます、たぶん。
一応、シリーズにです。
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