後悔先にたたず | ナノ


あーヤっちまった。なんて、気付くのはもう遅くて、隣ですうすうと寝息を立てている静ちゃんが見える。それも裸で、自分も裸で…あの行為をしたとしか思えない、絶対気のせいではない気がするし、昨日はべろべろに酔っていた。決して情報屋折原臨也は酒に弱い訳じゃない。只、昨日の夜、少し飲もうと買って置いた酒に手を出す瞬間に、静ちゃんが通りすぎた。その静ちゃんの隣には上司の姿があった。ここまでは普段通りだった。だが、急に、静ちゃんが上司に抱き着いた。
あれ、何してるの静ちゃん。まさか、えっ!?そんな趣向があったの?それは良い情報だねえ。
そんなことを思ったのも束の間、静ちゃんは俺だけのモノじゃなかったの、何してんの誰でも良いていうこと?それならわかったよ。もう知らない!


そう、思い出せるのはここまでなんだよね、その後何したのか覚えていない。
多分、酒を再び大量に買ってそれを全部家で飲んだのだろう。
そして、全ての酒を飲み終えた後、電車かタクシーを使い静ちゃんの家に来てしまった。という感じだろう。
これは本当にヤバい。どんなことを言って静ちゃんを強姦したのだろうか。セックスとかそんな行為ではないと思う。静ちゃんの同意の上である確率は絶対低い気がする。
嗚呼、何て言い訳しよう。
「静ちゃん、ごめん。あ、でも嫌いな奴になんか俺はこういうことしないから。でもごめん。」

居たたまれなくなった俺は、静ちゃんのお風呂場に行き、シャワーを勝手に使いにいった。
別に水道費くらいは出すし。
静ちゃんが永久に起きなければ、言い訳しなくて住むのになと思った。ま、永久に起きなかったら一生罪悪感を引き摺ってしまうのだろうな。俺の神様になるのか、静ちゃんは。
そんなことを思いながら、お風呂場から出ると、
「臨、也…」
あーあ、起きてしまった。
これからどうしよう。


後悔先に立たず/0223
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