可愛い君 | ナノ

※静ちゃんが取立ての仕事をする前までの提造話。ひたすらキャラが壊れています…



「この世界は、レースだと思う。学校でも誰が一番、モテるか、頭が良いのか、パシリに使われやすいのか。社会でも、偉い人は誰か、使える人は誰か、奢ってくれる人は誰か。こんな、ゲームのような順位付けをしているのが、この世界だと思うんだよねえ。」

池袋で、静ちゃんと会った。ものを投げてくるかと思いなるべく遠くに居ると、いつも耳に聞こえてくるガンッ ガッシャーン!というモノを投げてくる音が聞こえてこなかった。
どうしたのかと思い、静ちゃんに駆け寄れば、

「仕事終わった。つーか、首になった」
と悲しい瞳をサングラスの奥で隠せていないほど、滲み出していた。

「本当、馬鹿だね。だから、言ってるじゃないか、気にするなって。でも、静ちゃんはリタイアなんてしないよ?次の仕事探せば良いじゃないか。」
そうだ。静ちゃんは絶対にリタイアはしない。死なない。俺が、絶対に死なせない。苦しんでも苦しんでも、絶対に死なせてあげない。
俺が、興味対象外になったときに、殺してあげるから。だからさ、仕事くらいで、死なせないよ。
皆が皆、俺の中では、一番なんだから。

そんなことを考えていると。何故、俺が大嫌いな静ちゃん何かを慰めているのだろうか、と疑問が浮かぶが“只の気紛れ”ということで、片付けておこうと思い直す。

「…。誰だ、手前!(臨也が慰める筈がねえ)」

はい?慰めたのに、何この嫌な気分。なんで、礼を言われないんだよ。全く、酷いな。
幽君に見せるような、あの柔らかい笑顔は、向けてくれないのかな、本当腹が立つ。特定な人物を造るなんて最悪だよ。

「はあ?静ちゃんってば馬鹿?俺の顔まで忘れたの?うわ、ヒドーイ」

本当に、先ほど静ちゃんなんかを慰めた俺に腹が立つ。というか、自分馬鹿だろ。静ちゃんに素直な発言を言ったことで、誰だとか言う失礼な奴は、死ねば良い。
「ああ。俺を、こんなにも苛立たせるのは手前だけだったな、ノミ蟲」

「あはは。嫌だな、静ちゃん。君が勝手にキレてるだけだと思うけどな。」
人が、心配すれば突き放す。とかもう、意味分からない。
何、実は人に心配されるより、罵倒な言葉を浴びせて欲しい訳?何、そのドM野郎?かなり、無理。拒否する。

「おい、手前!今、絶対失礼なこと考えてたろ?」

静ちゃん何かに、失礼とは言われたくない。
不愉快極まりない。

「別に静ちゃんなんかに、関係ないだろ?俺が、何を考えていてもさ。」

煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い!!
静ちゃんの悲しそうな瞳を見ただけで、何かしてあげたくなってしまう自分も、静ちゃんも何もかもが煩い!
意味わかんない。だから、静ちゃんはきらいなんだ。俺のことを…こんなにも前面否定するのに、

「どうした、臨也?」
優しい言葉を放ってくる。さっきまでは、自分が静ちゃんの心配していたのに。
「何でも無い。…仕事ならさ、すぐ見つかるよ。もし、見つかんなかったら、俺の所に来れば良いし」

自分、馬鹿じゃないか。静ちゃんがほっとけないからって。特定は駄目なのに。
「…!あー、あんがとよ。でも、自分で探す。臨也に頼りたくねえし、アレだ。会いたい時には、普通に家に行くから」

ズルイ。本当にズルイよ、静ちゃん。
ていうか、静ちゃんの場合、普通に家に入ってくれないよね、ドア壊すし。まあ、良いけどさ。

「期待せずに、待ってるね。それじゃ、!」

「おう。あと、池袋には二度と来るんじゃねえぞ!俺が、その。新宿に行くから」

あー、もう!何で、そんなに可愛いんだよ。
俺が、会いたいと思ったときのこと、考えてないでしょ?それでも、俺は行くよ。池袋に。
静ちゃんは、大好きだけど、人間もそれ以上に好きだから。
観察は、俺の趣味だから浮気じゃないしね。
あ、嫉妬してくれたら、少しは楽しいのか。まあ、今度やってみるか。…殺されない程度にだけど。


可愛いキミ/0305


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