愉快滑稽挨拶 | ナノ


挨拶って大事だよね。
おはようだとかこんにちはだとか今晩はだとかお休みなさいだとか久しぶりだとか…、
それなのに池袋最強の彼は挨拶なぞせずに物を投げてくる。これってどう思う?
情報屋の臨也としては、人間あるまじき行動言動の連発だと前言っていた。
まあ、世界中では挨拶をしない人は沢山いるかもしれない。でも顔見知りとか目上の人だから友人だから親戚だからと特定な人間は造ってはいけないと思うんだ。
だから一つだけ言わせてくれ。
平和島静雄は礼儀がなっていない。相手を自分の頭だけで嫌いな奴か好きな奴かを見極めるんだ。
ま、どちらかと言えば静ちゃんよりも俺の方だけどね。

「いーざーやーくーん!」
あれ、また出た。俺の嫌いな奴、平和島静雄。
はあ、静ちゃんの暴力は理屈も言葉も通じないから苦手だよ。でもまだ全部の人間を観察してないし、面白いことは沢山ありそうだし。

「やあ、静ちゃん。今日も機嫌が悪いね」
「手前が池袋に来なけりゃ機嫌は悪くなんねえよ!つーことで死ぬやノミ蟲!」
どういうことで、そうなるのか説明してほしいなと言う前に道路標識やらゴミ箱やら投げてくる。
だから苦手なんだ。

「死なないよ、静ちゃんは俺を殺せないから。だって静ちゃんを殺せなかった俺は、未練があるからって静ちゃんの霊になるよ。
静ちゃんがトイレしている時だってナニしている時だって寝ている時だって俺と一緒に居ることになるよ?嫌でしょ、だから殺さないでね。」

ほら、静ちゃん。嫌な顔してよ。もっと、心底嫌な顔をしなよ。
「っ、手前!一体何が言いてえんだ。」

あれ、怒っちゃった。もっと嫌そうにしている顔が見たかったのに。

まあ、良いか。それじゃあ挨拶もろくにできない馬鹿な奴は置いて新宿に帰ろう。また来たときに、嫌な顔をされることを楽しみにして。
嗚呼、愉快だ
今度はどんな言葉を言ってあげようかな。
俺のことが大好き過ぎる静ちゃんに、


愉快滑稽挨拶/0221
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