第三者から見た二人 | ナノ



恋せよ乙女!
さあ、僕とセルティのように!君らも、君たちもLet's go!
ということ何だけど分かった?
変態闇医者の岸谷新羅の話を横流しで聞いている男が2人いた。先程までつまらない争いをしていた新羅は急に机の上に右足だけを乗せ、話し出した。
ノロケなら何処か他所へ行ってこいといえば、
「こい!?来い、恋?どちらかな、どちらでも良いよ私とセルティには。立ち向かう覚悟なんて俺達の愛に…」
こんな内容を永遠に聞かされてみろ。辛いし、うざいし苛々するし死ねば良いと思う。
2人の男。静雄と臨也は、正にそんな感じだった。

「ねえ、静ちゃん。この話何時まで続くと思う?」
「ああァ?そりゃセルティが来るまでか彼奴を殴るか殺すしか…ねえだろうな」
「そうだよねえ、でも新羅は何だかんだで凄く役に立つ闇医者だからなあ」
「そうだな、」

珍しながらも静雄と臨也が会話中である。それを見た新羅は
「ああっ!やっと僕の言ったことが分かったんだね。そうだよ、喧嘩するほど仲が良いということはあれだよ、仲が良い=好き!みたいな。
そして2人は恋に落ちるみたいな、恋よ来い!」
熱弁し出す。いや、俺等だって人間だし今、一緒に酒飲んでるくらいだし。
あれ、新羅に言ってなかったっけか。
2人は今、同じことを思いながら一言。

「「俺達付き合ってるよ(ぜ)?」」

「いつの間に!何で、愛する友人にそんな重大なことを言わなかったんだい。酷いじゃないか。もう私達は友人ではないのか。それなら此方としてもそういう処置を取ろうじゃないか。君達は、僕に言わなかったことを心から反省するまで絶対に面倒は見ないよ。例え重大な病体だろうがね、」
よくもまあ、こんな言葉を噛まないで言えるのかが不思議でしょうがないが、
「それは困るよ、新羅。本当に何時言おうか考えていたんだって。でも静ちゃんが恥ずかしがるから。」

「おい手前、何、一人だけ悪くねえように言ってんだよ!殴られたいのか、ああ?」

セルティー、僕の愛しのセルティー大好きだよ。でも僕の目前に広がっている世界は一体何だろうね。もう死期が近いのかな、いやまさか。
あんなにいちゃついている静雄と臨也を見るとは、ね
「おいっ!手前起きろよ新羅!」
「早く目を覚まさないと静ちゃんの馬鹿げた鉄拳が飛んでくるよ?」

――っ。
あれ、今の俺に映る2人は全く先程見ていたものではなくて、
「あれ、さっきまで2人で抱き合ってなかった?っていうか驚いたよ。静雄と臨也が付き合ってるだなんて、考えてもみなかった」

「は?何言ってんだ?誰がこんなノミ蟲と付き合うかよっ」
あ、れ
嗚呼、そうかそうか。
あれは僕の夢だったのか。でもこの調子だと正夢に、なるかもしれないな。



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