拘束流れ理解 | ナノ

ほぼ提造。


「臨也、ここからいい加減出せ。」

池袋最強の平和島静雄は、高級マンションに住んでいる情報屋 折原臨也によって手や足など身体中を拘束されている。
しかも、一番屈辱的な体制と全裸。静雄からすれば、
こんな拘束なんてと思うのだが、中々壊れない。それに、普段よりか思う様に身体が動かない。
薬を盛られたということはすぐ分かった。
だが、メスなどを効かない静雄にとって、どうやってこの情報屋は薬を盛ったのであろうかと考える。

「あー、静ちゃんの唇から流し込んじゃった。」
最後にテヘッという語尾が付いているような言い方に腹を立てたが、唇からという言葉が気になってしょうがない静雄は、

「唇からって手前!何をした!?」
ものすごく、ドスが効いた声を臨也にぶつける。

「なにってそりゃー、口移ししかないよね。そんなのも考えられないのか。可哀想な頭は何時まで経っても直らないんだねえ。」
完璧にキレている静雄に、少しも動揺をせず臨也は挑発気味に言葉を放つ。
その理由は、今の置かれている立場の違いだということ。
今の臨也なら静雄に好き放題のことが出来る。まあ、ナイフで刺すことは不可能なのだが、恐怖を抱かせるのは簡単だと思っている。
何も、暴力だけが、恐怖を覚えさせるものではなくて、他にも手段は沢山ある。
静ちゃんの場合だと、毒を盛られても生きていそうだし、薬は使わない。
それ以外では、男性に開発されるということ。
よく裏の奴らが使う「抱く」「挿入」「調教」「強姦」などの行為。
別に、好きだから抱く訳ではない。寧ろ邪魔だから、嫌いだから
おおっと、話が飛んでしまったというように臨也は静雄に

「静ちゃんに選択肢を選ばせてあげるよ。俺って優しいからね。」
「ああ゜?んで手前の言うことを聞かなきゃいけねえんだよ。」

「静ちゃんってさ、本当馬鹿だよね。この状況が理解できないんて本当に可哀想。あ、同情はしないよ?人間以外に同情したって意味ないし。気苦労するだけだしね。静ちゃんなんかの為に自分のストレスを溜めたくないしね。愛する人間のためなら少しは考えるけどね。」
「俺ァ人間だ!それに手前なんかに馬鹿馬鹿言われたくねえんだよノミ蟲が!」
臨也の言葉を聞こうともしない静雄が耳を傾けている。会話が成り立っている。普段よりかは、だが。
少し、静ちゃんが人間のように思えてきた錯覚を起こし、臨也は何時もより優しく、

「俺に抱かれるのと、奴隷になるのどっちがいい?」
と聞く。どちらも抱かれるのではないのか。と聞きたくなるが今の状況がヤバイのは静雄だって気付いている。
「死ぬ。」
この一言で、はやく俺を殺せばいいだろうという意味を含めて言ったのだが、

「今の静ちゃんは殺さない。はやく、決めなよ?それともどちらもが良い?いやあ、静ちゃんって案外Mだったんだね。それにしても静ちゃんがホモだという噂が本当だったのには驚いたよ。まあ、近くに寄ってくる女が居ないからしょうがないっか。」
よく、そんなスラスラと言葉が出てくるものだなと静雄は思う。

「はあ?俺がホモ?笑わせんな。何時誰が何処で何をどうしたっていうんだよ?」
最初の臨也の台詞には触れもせずに、最後の自分が引っかかったところだけ聞いてみる。
「この間、池袋の公園でいつも一緒にいる人とは違う男とキスしてたじゃん。情報屋舐めないでよね」

「…この間ァ?、、、あー、あれのことか。あれは、不良が俺のサングラスを欲しかったらしくてな、そんで別に何も燗に触るようなことされてねえもんだから油断しただけだ。その後は存分に殴って置いたがな。まさか、俺のサングラスが欲しいなんて気持ちが悪い男がいるとは思ってもみなかったぜ。」
それは、そうだろうな。でも、顔だけは綺麗な顔している。背を低めにして声が高くなれば、女装も上手くいくのではないかと思うほど。その馬鹿な男は、性別なんて関係ない少数派の人間だったんだな。
臨也は、まあ、静ちゃんが本気であの男とやってなくてよかった。と何処かで安諾感を覚えていた。

「あれ、何でだろう。こんな忌々しい相手なのに。」
本人の前でこうも素直に物を言うのは臨也と静雄の関係の一番良いところであった。
「同感だ。手前じゃなくて他の男に大事な唇を奪われたって思うと何故か心がモヤモヤしてくる。」
この関係だからこそ、静雄は自分が思うことをそのまま口に出してしまう。
殴りたいときなら、ただ殴りてえだけだ!とか殺したいなら、殺す、絶対殺す!などと変わらぬように、誤解をされるような発言をしてしまった。
「し、ずちゃん?」
静雄の発言に、ものすごく驚きが隠せない臨也を見て、自分が何を口走ってしまったのかを静雄は思い知らされた。

「あーもう!気にすんな。今の無しだ無し!」
照れているのか、顔を真っ赤にしながら視線だけを逸らす。
「静ちゃん。ごめんねこんなことして。でもしばらくはこのままでいて。もう、動けるだろうけど。」
臨也は、話途中で静雄が逃げ出せることを見抜いていたし、自分にいつ殴りかかってくるかと考えていた。
静雄の発言に臨也が、興奮してしまったのも事実だし、静雄が臨也が好きということにも気付いてしまったは事実。

「臨也ァ、手前後で殴らせろ。なんか無性に腹立ってきた。」
「ムードないね。ま、いいけど。殴られるのは勘弁だよ?」
「手前!死ね、いーざーやー!」
臨也の手を離し、身体中に付けられている金属のようなものを壊す。

「ちょっと、待って。静ちゃん自分が裸だってこと忘れてない?それとも、俺のこと挑発してるの?」
「っ新羅みてえなこと言ってんじゃねえー!!!」
こんな形で自分達の気持ちが分かってもいいこともないし、悪いこともない。
損も得もしない。


拘束流れ理解/0218
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