言葉命令敵わない | ナノ


※臨也が少し酷い、静ちゃんネガティブ/ぬるめ


携帯電話を操作する手も、この寒さに悴んでいて、全く使えない。
誰とも連絡が取れない。だが、困ったことに、臨也に「早く来て。」とメールを貰ってしまった、いや貰うのではなくて、勝手に携帯が受信してしまっただけなのだが。
そして、普段の俺ならば行かない処なのだが、最後の言葉に、「来なかったら一生抱かないよ」と言葉が隠れている気がした為、行くことを決める。
抱いて欲しいと、そんな恋愛感情的な欲はないが、俺も男。欲は溜まるばかりで出せやしない。
適当な女を連れ込んでしたいのも山々なのだが、生憎池袋最強の男と呼ばれている為言い寄ってくる女が全く居ない。
だからこそ、臨也の存在は大切だ。いや、彼奴が居なくても大丈夫なのだが、俺と奴の相性が良かったのか、セックスするのには一番好都合な相手だ。
彼奴は、口が達者だから女を連れ込んだり出来るから困りはしないだろう。
そんなこんな考えていれば、臨也の家の目の前で後はインターホンを鳴らすだけで。
あれ、ちょっと待てよ。今、走ってきたから汗かいてねえか、ってか走ってきたとか、どんな奴だよ彼奴が好き見てえじゃねえか。
いやいや、そんなことは有る筈ない。否、有っては行けないだろ。男同士だ、セックスは唯の溜まりに溜まった欲望の捨て場所に過ぎないだろうが。
あー、意味わかんねえ。

「何してんの、静ちゃん。早く入りなよ。」

あれこれ考えている間に、俺の存在に気付いた臨也が戸を開けてくれていた。

「あ、ああ。ってか、急にどうした、俺だって暇じゃねえんだ、!」
走ってきたことを彼奴に気付かれる前に、息を整えていたら、普段吸う煙草の為体力が乏しくなったというか、息が乱れているのが分かった。
「あー、何か急に抱きたくなった。」

何故、この男はこうも自分勝手なのだろうか。
いつも、下らなく聞くのにも嫌悪感を抱く人間愛なら、自分だけを特別視するなとかなんとからしいが、臨也の俺に対する行為は何だって言うんだ。
あからさまにそんなことを言いたかった俺の顔を見て、
「だから、静ちゃんは俺の愛している人間とは違うから良いの。」
「俺も人間だがな、!」
こうも自分勝手な行動を度々されてしまうと、慣れてしまっていて、
「まあ、いいや。、ていっ」
掛け声と共にベッドの上に倒れる自分。
だが、ここで暴れないという手段に出てしまったら、「飽きちゃった」とか言って、抱いてくれなくなるのは臨也の性格からして一目瞭然だ。

「っざけんな!殺されてえのか、いーざーやー」

「あはは、怖い怖い。」
いつもの人を見下した態度と声音の彼奴が心から憎いと思う。
臨也の存在は、セックス以外だとリミッターを切らし最後には、最悪な状態に成っていると言うのだが、

「馬鹿にしてんだろ、ひゃあっ」
言い終わる瞬間に臨也によって開発されてしまった自分の乳首は、唯の性感体で、急な行動に声を出しちまった。
「んー、久し振りに静ちゃんの声聞いた、可愛いねえ。」
嗚呼、せめて声くらいは我慢していたかった。
臨也に刃向かう唯一の抵抗だったのに。
そんなことばかりを考えていれば、臨也は俺のズボンをも脱がしていた。
あれだ、臨也の器用さと気持ち悪さには敵わない気がした。


言葉命令敵わない/0211
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