やっと好きになれた世界ももう少ししたらまた嫌いになってしまう。
ルークがいることで好きになれたのにも関わらず、彼はもう少しでいなくなってしまう。幼なじみとして過ごした、使用人として過ごした、友人として、恋人として。
「あ、ガイ!何処に行ってたんだよ?」
「ああ、少し外の空気を吸いたくなったからな。それより、ルーク何か隠し事をしていないか」
真相をわかっているのに、わざわざルークに尋ねるのは自分を信頼しているかを確かめるためのもの。幼なじみだからとは言え、今まで騙してきたのは自分だ。信頼関係なんて築けるはずがないが、確かめたかった。そして、止めたかった。犠牲を出してまで、こんな世界を救いたくないという気持ちも強くて、
帰って来いよ、としか約束出来なくて
また、大切な人を失うんだなと思うと心が苦しくなったのは言うまでもなかった。