珍味佳肴逃亡食う | ナノ



「はい、馬鹿な静ちゃんに質問ね。」

にこやかに話してくる臨也を見て、自分に善からぬことが起こるなと言うことは
、分かっていた。
でも、それを回避する術は自分には持っていなく、

「はあ?何で俺が手前の質問に答えなきゃ、」

「はーい、珍味佳肴の意味は何でしょう。」

自分が言い終わる前に言われたのが気に喰わなかったが、今の臨也を止めること
は不可能に近いので、考えて見ることにした。
だが、そんな四字熟語なんて知らなくて、

「あれだ。珍しい食い物のことじゃねえのか?」

適当に答えて見れば、

「うーん、微妙に正解。」
少しだけ、残念な表情をして魅せた臨也に可愛いなと思いながら正解の答えを待
つ。

「答えは、珍しい食べ物と良い酒肴。大層なご馳走をいうことだよ。」

「それを何で俺に質問すんだよ!」
自分に質問するくらいだから普段通り嫌味を言うために質問をして来たと思って
いたんだがと疑問符が付いていることが明白な表情をしていると、

「だからね、俺は男で静ちゃんも男でしょ。だから、静ちゃんを喰うのは珍しい
と言うことになる訳。
大層なご馳走は、静ちゃん!」

は、何を言っているんだ。俺を喰う?いやいや、意味が分からない。
何故だ、何故そんな考え方をしたんだ。

「意味がわからな、」

まだ言い終わっていない言葉は、臨也によって奪われる。何かと思えば、自分の
唇に生暖かい物体を感じる。
嗚呼、臨也にキスされてるなんて分かるのは、当然ででも何故臨也にキスされて
いるのかが理解に苦しんで、うだうだと頭の中で考えていれば、

「んあ、」
舌までも絡めてきて。
俺は、無意識に舌を奥へと持っていき、臨也の迫ってくる舌から逃げようとすれ
ば、顔の顎を思いきり引き寄せられて、舌を無理矢理絡まされる。

「、ふあ。はああ、死ね、!」
やっと離れたと思ってすぐに言葉を出して見れば、息が苦しくて思い通りに言葉
が繋がらなくて。

「あはは、体力馬鹿な静ちゃんがこうも息を切らすとはね、でもどちらもの唾液
でびしょびしょな顔をしている静ちゃん可愛いねえ。」

「可愛くねえよ。悪趣味過ぎ、死ね!」

こいつに喰われる前に、逃げよう。
逃亡者のように、早速と逃げてやる。
誰が、珍しい食べ物だ。普通の手前が愛しているという人間だろ。
嗚呼、何か逃げることが出来なそうだ。


珍味佳肴逃亡喰う/0206

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