03
「クラウドー! サトミー! マテリア持ってきたよー!!」
上空を飛ぶ新型飛空艇・シエラ号に乗る人たちの中で、たくさんの種類の玉・マテリアを持って叫んでいるのは、忍者少女のユフィ。
ユフィがマテリアを差し出すように少し前に出た時、ぐらりと船は揺れてマテリアがいくつか落ちる。
「揺らすなッ!!」
「おいシド! 早く下ろせ!」
操縦席に座る男に抗議しているのはバレット。
「うるせーな、ジャンプしろ! ジャンプ!!」
シドと呼ばれた男は、ハンドルを握りながらバレットにそう言う。
「二人だけで戦わせてやれ……」
静かに言ったのはヴィンセント。忘らるる都の後、ティファたちと合流したようだ。
ヴィンセントの言葉に、ユフィは「はあ!?」と声を漏らす。
「あいつらはセフィロスとアースの思念体……言わば幼虫のようなものだ」
「幼虫!? 虫? 虫なの!?」
「お嬢さん、黙っとき〜」
驚いて更に問い掛けるユフィに言った猫は、ケット・シーと呼ばれるロボットだ。
ケット・シーが乗る犬はレッド]V。彼らも、クラウドたちと共に旅をしてきた仲間である。
「いつかセフィロスやアースになるってか……」
「ねえ」
シドの話を遮るように、ティファはヴィンセントに問う。
「クラウドとサトミはそれ、知ってるのかな?」
「───おそらく」
静かに返事を返すヴィンセントに、ティファは何処か納得したように頷いて外を見つめた。
「そっか………うん、二人だけにしてあげよう」
会話の内容をうまく理解できないでいるユフィ。
「わっかんないよ! 説明してよー!!」
「男の話だ」
シドの一言に、ユフィはカチンときたようだ。
「差別! さべーーーつ!!!」
そう叫ぶユフィに、ケット・シーはイライラさせながら体を前に乗り出す。
「お嬢さん! 黙っとき!!」
「男もわかんねぇって……」
「二年前───」
少しがたついてユフィやバレットたちが、ティファの方を向く。
「最後の戦いの時には確かにあったはずの強い気持ち……たった二年なのに……いつの間にかなくしてしまったあの気持ち───それをクラウドは、サトミと一緒に取り戻したんだと思う」
ティファの安心に近い声を聞き、バレットは舌打ちをした。
「10分待ってやる……」
「相変わらずめんどくさいんだねー、クラウドは」
呆れて話すユフィに、ティファは笑みをこぼす。
「正直なの!」
そして皆は、ただただ二組の闘いを見守って行くのだった……
****
場所を変え、空中で剣を交えるサトミたち。
最後の一撃でカダージュとアズールは宙を舞い、片手で建物の端を掴んだ。
二人は、下へと落ちる自分の武器を見つめる。
「これで終わりか?」
見下ろすように立つサトミ、横にはクラウドも立っている。
歯を食いしばるカダージュは、大事に持っていた箱…ジェノバの首が入っている箱を投げた。
すると、箱のフタは取れ中から緑色の液体が出てきた。投げた箱を追うように、カダージュは壁から離れて箱を手に取る。
アズールも後を追うように、カダージュの元へ飛ぶ。お互い箱に入っていたモノを手に取り、口を揃えた。
「「僕らのリユニオン……見せてあげるよ……」」
クラウドとサトミは目を見開き、二人の後を追うように落ちていく。
─この場でリユニオンされたら……
サトミは剣を振り上げ、アズールに攻撃しようとする。
だが、攻撃は受け止められ……───
「フフフ……久しぶりね。サトミ……」
サトミの目の前に現れたのは、二年前に倒した筈のセフィロスの実妹・アースだった……。