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こうして、ボンゴレ守護者の間にあった10年に渡る"哀しい苛め騒動"の終止符が打たれた。その時に出た代償は、とてもじゃないけど数えられないくらい多かった……

愛美さんに操られていた守護者の人達や関係者たち……そしてボスである綱吉さんは、あの後ミルフィオーレの最高医療班の手によって治療され、今は療養生活を送っている。

そして私も、便乗するかのようにミルフィオーレの医療班にお世話になっていた。


「秋穂〜〜! 無事で良かったさぁ〜〜!!」


ダァァァと涙を流してワンワンと泣く凛に、私は力なく笑いながら彼の頭を撫でる。

ここは病院の個室。お見まいという事でやってきた比嘉高メンバーに囲まれています。


「入院、どれくらいかかるんだ?」

「一週間くらいだって言われてるかな。血も少ないし、当分動けそうにないよ」

「これを期に少し休みなさい。秋穂は働きすぎですよ」

「はーい」


永四朗に言われ、少し唇を尖らすけれどこれ以上は何も言わない。事実だって言うのもあるけれど、反論する元気さえないから……


「そろそろ面会時間が終わりそうだな」


裕次郎が時計を見ながらそう呟く。


「仕方がありません……もう少し一緒にいたかったのですが、ね」

「また明日来てよ、待ってるからさ」

「おう!」


永四朗や寛君達に見送られながら、手を振って彼らの姿が見えなくなるのを最後まで見つめる。

パタン、と扉が閉まった事を確認して天井を見つめながら……言った。


「そろそろ出てきたらどうですか?」


そう言うと、まるで私がそう言葉をかけてくるのが分かってたのように……この部屋に彼らが現れた。


「傷はどうですか?」

「しばらく休めば回復します。大丈夫ですよ」

「秋穂さん、良かった……」


ホッと胸をなでおろしながら私の元へ寄ってきたのは、灯さん。

心配そうに声をかけて来たのは、久寿さん。


「ま、こんなところでくたばっちゃー話にならねーからな」


ニッと笑みを浮かべて話してくれるのは匡さん。


「こんなところで死なれては困る。この先の我らに支障が出てしまうからな」


小さく笑みを浮かべ、灯さんの横に立つ千景さん。

この四人は、鬼と呼ばれる人たちのようだけど……私は良く分からないや。


「今回は、助かったよ。ありがとう、ございます」

「いえ、我々もこうして"恩"を返せて良かったと思ってますので、気にしないでください」

「その……"恩"って、なんですか? 私たち、初対面……ですよね」

「"今"はな、時が来れば分かる事だ。そう急かすものでもない」


またはぐらかされたような気がする……一体、この人達は何者なんだろう……? 敵、でないことは今回の騒動の件で分かったけれど……


「今はゆっくり休んでください。また、お会いしましょう」


そう言われ、灯さんの手が私の目へと置かれる。それと同時に襲いかかってくる眠気に誘われるかのように、私は意識を手放した。




最終章:新たな幕が開かれる



 


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