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「ようやく本性を現した、と言ったところか……こんな暴動を起こして、一体何が目的ですか?」

「目的ぃ? 無限の鬼帝国を作る為に決まってるじゃない! それ以外に何があるって言うのよぉ〜」


私の問いに、彼女はニィと笑みを深めてそう言い放った。

お、鬼? なんか非現実的な言葉を耳にした気がするけど……


「テメェ、西洋の鬼だな……俺らは歴史に介入したらいけねぇ種族だろうが!!」


ちょ、否定しないんですね匡さん! しかも西洋の鬼って、どういうこと……?


「そういう貴方達は、日の本の鬼……と言ったところか。我ら西洋が開発した【薬】を投与された我が下僕達を相手に、どれだけ保つか見物だな」

「我らを見くびっては困ります。こう見えても、西の国を治める統領の元にいる身。易々と倒れるわけにはいきません」

「ほう?」


久寿さんは拳を前に出して構え、匡さんは銃を手に真っ直ぐ狙いを定めた。

もう、彼らの話が訳分からない……意味が通じない私にとっては、頭の上に疑問符が沢山浮かんで仕方がないことこの上ない。


「えっと、私はこういうことを考えるのが苦手なんですよ……」


だから、と言葉を続けて剣を構える。


「敵がアナタだけだと分かった今、倒す他に道はないって事ですよね」

「この私が倒せるのか? 人間無勢が」


剣を持つ手に力を込める、今まで感じた事のない殺気に身を引きそうになるが……ここは耐えるんだ。


「さあ、始めましょう。この場所を、紅く血に染めてしまいなッ!!」


彼女の声にこたえるように、ボンゴレのボスや守護者たちが立ちあがって武器を手に襲いかかってきた。

まずは、彼らの暗示を解く方が先決かもしれない……!!




09章:"鬼"




「自身の血液から武器を生成するとは……Bloody Birdも鬼の種族と言ったところか」

「あのー、意味不明なので私でも理解できるくらい分かりやすく話をしてくれません?」


高みの見物の如く、優雅に椅子に座る金銅さんに呆れてそう言葉をかけてしまう。

一応言っておきますが、結構な激戦の中で会話をしています。獄寺さんとランボさんが襲いかかってくるの。攻撃を避けながら、峰打ちをしながら攻防しているけれど……一向に倒れる気配がないのだ。

長時間戦闘を繰り広げているのだ、いつ倒れてもおかしくないというのに……何故?


「なぁ秋穂〜、こいつら殺しても良いか?」

「ダメです! 守護者や関係者を殺しては、色々問題が起こりますから!!」

「へ〜、やっぱ人間はメンドクセェなぁ〜」


呆れたような、疲れたような声で匡さんがそう言う。一言でも言っておかないと、彼は目の前にいるイーピンさんやビアンキさんを殺しかねない……!!


「日の元に住まう鬼は、四種類の領地に分かれていると聞く」


ぶつぶつと、まるで独り言のように話す金銅さんに近付こうと前へ進んではみてみるが……流石ボンゴレ、相当な戦闘力を持っている。防ぐのが精一杯になってきた……


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