03


「……で、真実に気付いていそうな人は何人いると思う?」

「二人だな」


なんの躊躇もなく、そうハッキリと発言したのは跡部君だ。流石、昔からテニスでも使っていた眼力(インサイト)の力は10年経った今でも衰えていないね。


「奴らから少し離れた場所に立っていた奴と、秋穂に問いかけたオッドアイの奴だな」

「嗚呼、雲と霧だね。ボンゴレの中で、あの二人だけ特殊な条件で加入したって話だよ」

「特殊……?」


首をかしげるうおちゃん。横にいる永四朗も頭の上に疑問符を浮かべていた。


「雲の守護者、雲雀恭弥。彼は自分の地域の秩序を守ってきた元不良。現在は日本にある財団の長を務めているけど、話の成り行きでいつの間にか守護者になったらしいよ。次に霧の守護者、六道骸。彼の生い立ちは卑劣なモノさ……とあるマフィアの実験台にされ、そのマフィアを壊滅させてから復讐者と呼ばれる者たちに捕まる。だけどボンゴレの力になることを条件に、牢獄から出してもらったらしい。マフィアを憎んでいる六道君のことだ、ボンゴレのことを信頼しきれていないみたい」


そう、マフィアを心から憎んでいるであろう彼がここにいることに少し驚いたな。

確か彼には、壊滅したマフィアの組織の中で信頼を持てる仲間を見つけたと聞く。あのメンバーの中にいないということは、別の部屋にいるのだろう。


「雲と霧には、直接話をしてみたいけど……その前に明日の事を考えなきゃ」

「誰を連れていく予定なの?」

「ん〜、元比嘉と元立海のメンバー全員だね。最初は頭の回転が速くて、詐欺の力を持っている奴を連れていった方が、後先楽かもしれない」

「そうか……」


詐欺と言っている時点で雅治君を連れていく事は確定している。場合によっては、彼の"詐欺屋"としての力を借りざる負えなくなるからだ……


「報酬、どのくらい用意しておこうかな……」

「そんなの、仁王の野郎と話し合って決めやがれ」


んー、と考えながらボンゴレ本部を後にする。明日から起こるであろう悲劇に立ちあうのだ。心の準備と言うモノをしておかなければいけないし……

それに、彼女……獄寺君のすぐ傍に立っていた"彼女"は、警戒するよう声をかけておかなければいけない。相手はマフィアだ、何をしでかしてもおかしくないからね。




***




*Side ???*

今日はミルフィオーレの白蘭が、まーた星野優を返してほしいと言ってきた。勿論私の手駒と化している彼らがそう簡単に返すわけないけどね〜!

恭弥も骸も、なーんで私の言いなりにならないのかしらぁ〜? こーんなに可愛い女、何処を探してもいないっていうのにね! 骸の部下である髑髏ちゃんや他の2人もそうよ! なーんで私の言うこと聞いてくれないのよぅ〜!

まあそんなの、どうでもいいわ! だって今日は思わぬお客さんが着たんだもの!!

跡部君と木手君……あんなイケメン、隼人や武とは違ったカッコ良さがあったわ〜!

跡部君の名前はずっと前から聞いてて知ってる。あの有名な跡部財閥の御曹司……日本の頂点と言っても過言ではないくらい権力が強い組織のトップ!

木手君も勿論サーチ済み。世界が認めるプロのテニスプレイヤーだもの! あんな男、欲しいと思ってたところだし……こんなところで対面できるなんて思ってもみなかった。

気に入ったけど、傍にいた女二人が気に食わないわ。しかも夫婦と言いぬかしてきた……

冗談じゃない! カッコイイ男子はみーんな私のモノなの! 他の誰にもあげないわ!!

もう既に誰かの物になっていても、そんなの関係ないわよ! 私が、力づくで手に入れるまでさ!!私が欲しいと思ったものは、全部私の物にならなくちゃいけないの。だから、私が貰ってあげるわよ。貴女たちのモノを!

木手秋穂、跡部鈴……貴女たちが築き上げてきたモノ……私がぜーんぶ貰ってあげるから……!

 


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