オッサン部屋 | ナノ
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▼ 鷹と翠と緑と幽霊姫E+赤

ある日突然彼女が赤髪を前にして愕然としていた。

「…赤髪が…洗濯してる」
「ん?どうしたお嬢ちゃんそんな驚いたツラして。片腕だから普通のやりかたとは違っちまうけど、そこまで難しいことはねえ。こんなでも割と汚れは落とせているんだぜ?」
「そういうことじゃないんだ。あたし、男が洗濯してるところ見たことがなくって」
「あ?あー、そうかそうか。この島じゃお嬢ちゃんが家事全般やってんだったなぁ。アッハッハ。仕方ねえんだよ。俺らの船は男しかいねぇもんだから、何もかも自分らでやんねぇといけねえってわけなのさ。ちなみに俺は掃除も得意だぞ〜。料理だってできるんだぞ〜。すごいだろ??」
「すごい。本当にすごいね。尊敬するよ。ミホークはね。はっきり言って何もやらない」
「うるさい。俺はできないのではなく、やらんのだ。いいか?できないのではなくて…」
「はいはい黙ってろよ鷹の目。しねぇってのはできねえのと同じことになるんだよ。それに家事を女だけに押し付けてる時代じゃもうねぇぞ?お前だって少しは何かしねえとな!なあ、そこのフワフワゴスロリ娘もそう思うだろ?」
「…ん。…まあな」
「ちょっとペローナ。あんただって家事のほとんどをあたしに押し付けてるよね?そこで頷くの、おかしくない?」
「う、うるさいな!アタシだってやればできるんだよ!!やれるけど、あんたのほうが上手いから敢えて手を出していないだけなんだ!!」
「イーヒッヒッヒ。よく言うぜ。雑巾の絞り方もわかってねぇくせに」
「うるせーなロロノア!そう言うお前だって何もしてねーじゃねえか笑ってんじゃねーよ!どうせ生まれてから今まで包丁持ったことなんて一度もねえんだろう?!」
「ハァ!?あんなの刀と一緒だろ!?ならすぐにだって使いこなしてみせらあ!」
「へえ!へえ!へえ!そうなのかよ!!じゃあ今すぐ使いこなして今日のランチお前が何か作ってみろよ!」
「おお、おお!やってやるよ!ならお前は出来上がるまで拭き掃除でもしてろよな!」
「おーよ任せろ!驚くくらいピッカピカにしてやるから腰抜かすんじゃねえぞ?!あ!鷹の目は洗濯が残ってるんだから、お前はそれやってみせろよな!できる≠だろ?!任せたからな!!」
「…厭だ」
「「アァ!?」」
「…ミホーク、本当にできるの?」
「…………。…わかった。やろう」
「クックック。何だか楽しいことになりそうだな。よーし、お嬢ちゃん。いっちょ見学と行きますか♪♪」
「…う、うん(…嫌な予感しかしないよ)」





…とりあえず、当面は焼け落ちた炊事場の修復と、割れた窓ガラスの修繕と、縮んだ衣類の買い替え作業で忙しくなる。


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