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▼ 若と姫様 小ネタB

最近ロシナンテが盗んできた(え!?)という悪魔の実を食べたロー。彼はまだまだその能力をうまく使いこなせないようで、その暴走に私はこの度不運にも巻き込まれてしまった!

「キャーーーーー!!ロー!!あんた、一体どうしてくれんのよ!!わ、わ、わ…わたし!!!若様になっちゃったじゃないっっ!!」

オペオペの実。
それは何と人の人格を入れ替えることができるらしいのだ。
で、前方を歩くトレーボルを押しのけて廊下を走っていた私がローの目の前に出くわした瞬間、わたしのハートがぽーんと飛び出し、それがするんと収まって行った先が何と若様で…。

すると途端に視線がいつもの倍以上に上がり、その慣れない高さに足元がふらり…ふらついた。
サングラスのせいで薄暗くなっている世界に慌ててそれを取り去ろうと持ち上げた手が大きくて驚く。…ああ。若様の手だ。……。むふん♪思わずニヤけてしまった。


「ギャァアアアア!!!何だこりゃァアアアア!!!俺はどうなったァアアアア!?」


…と。そして気づけば私の足元で「私」がギャーギャー言ってる。その口調!私の中…今若様が入ってるの???


「ロォオオオオ!!!!お前ッ!!!何しやがった!!!何で俺がこんなチビになってんだよ!?う、うわぁああ!!スカートはいてるぞ!!なんだこの小せぇ手は!!まるで女じゃねえか!!んんん!??この服、この髪…。まさかミナか!??って、うわぁああああ!!!俺がいるぞ俺がいるぞ!!!俺がすぐそこにいるじゃねぇかァアアア!!!」
「若様!!!わたしだよ!!ミナ!今、わたし若様になっちゃってるみたい!」
「ギャァアアア!!俺の姿して妙な話し方すんじゃねぇよ!!!一体何が起こったぁあああ!?俺がミナでミナが俺で…って!!ややこしいぞ!!!」
「やだー。若様わたしの姿してがに股で歩かないでよー。骨格が歪んで妙なクセがついちゃうじゃん!!って、キャァア!!足が長すぎてうまく歩けないっっ!」
「きゃーとか言うんじゃねえ!!!おいロー!!!今すぐ元に戻せ馬鹿!!能力の所為だろコレは!!こんな場所で練習してんじゃねぇよクソが!!」
「…悪い…こんなつもりじゃなくて…」
「いいからさっさと元に戻せ!!気味が悪いだろうが!!!俺がミナでミナが俺だぞ!!??」
「…善処する…」
「まさかできねぇのかよ!」

足元でひたすらギャーギャーワーワー言ってる若様(in私)を私は見下ろす。
そんな私はどう見ても…とても小さい。
私は思わず手を伸ばして私の頭に触れてみてしまった。大きな若様の手はそんな私の頭の全部を包み込めてしまう。
若様はそんな私をギロリとすごい勢いで「何だよ!!」と言いながら睨みつける。私は思わずため息を吐いていた。


「わたし…。こんなにも小さいんだね…。若様から見たら…わたしまだまだ子供でしか…ないんだね…。若様って大きいねぇ…。身体曲げないと…わたしに届かないよ…」
「…」
「…早く大きくなりたいなぁ…」
「…」
「…身を屈めてもらわなくても…若様の手に届くくらいに…なりたいよ」
「……ミナ…」


思わず寂しげにそう言った私に、若様は睨んでいた目を少しだけ和らげて頭に載せている私の手をそっと払った。「心配しなくても…すぐに伸びるだろうが…」。ぶっきらぼうではあるが優しい声音でそう言ってくれた若様に、私は「…ウン」と頷き返した。


嗚呼。
ローの食べた実。人を早く成長させる能力もあればいいのにな。そうしたらすぐに若様に追いつけるのにな。
でも、今はこんな風に若様の立場で自分を見つめているっていうおかしな事態を少しだけ楽しもう。…だって私ってば…フフ!!こうやって見てみると結構かわいい。
ニコ♪
だから私へと向かって思わず笑うと、若様は「俺の顔でニヤニヤしてんじゃねぇよ…」と怒りつつも、少しだけ彼も笑い返してくれた。



「…(クッソ!!何だよこのいい感じの雰囲気は!!何でトレーボルの気配がしたのにミナが来たんだよ!!ドフラミンゴとトレーボルを入れ替えてやる予定だったのにッ!あああ畜生!)」


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