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▼ 煙と葉月

こんにちは。ヘビースモーカー大佐。
夏になりましたね。毎日本当に暑いです。そして!例の合宿が滞りなく行われましたね!海兵養成学校生最大の試練とされる、真夏の強化訓練合宿!!噂には聞いておりましたが、あれほどまでとは思っていませんでした。先輩たちが日々私たちを脅していた理由がよーくわかりましたよ。その合宿で脱落してしまう者は必ず何十名かいるとずっと言われ続けていて、確かにその通りの過酷極まりない合宿だったんですけれど私が今こうして大佐にお手紙を書いているということは、とりあえず私はその訓練を全て無事に終えたという事なんです!褒めてもらってもいいですか?いえ…そんな甘い事を言ってはいけませんね。これは当たり前の事でしょうから!

それにしても、ロープ渡りに登りはまだいいのですが、ハイポート!あれはヤバいですね!!足が痛いとかじゃなくて、銃が太陽光を受けて猛烈に熱くなるんです!火傷するかと思いました。
あと、行軍訓練!これもすごかったんです!荷物が重いのは気にならないんですけれど、特筆すべきは無人島漂着を仮定した際の食糧現地調達に関してです!!私、初めてカエルとヘビを食べました!割とおいしいので驚きです。友達は泣きながら食べていましたけれど、私はそんなことなんか全然なくて、何だか新境地にたどり着いた気分です!皮を剥ぐのも上手になりましたよ!いつか披露したいです。連続歩調も今思えば楽しかったです。教官が何でもいいから掛け声を叫んでいけ!…と言ってきたのでみんなそれぞれ個性ある事を言っていたんですよ。最初は笑ってしまいそうになりました。私は後半は暑さでバテ始めていたので何を叫んだのか実はよく覚えていません。でもきっと、多分ヘビースモーカー大佐のことを叫んだんじゃないかな、と思います。

手も足も、もう全身が豆や痣だらけで満身創痍ですが、充実した合宿でした。
ああ。最終日閉幕式後に青雉大将が出してくれた氷の部屋にはみんな歓喜しましたね。冷たくて気持ちよくて生き返る気分でした。あんなすごい悪魔の実なら私もいつか食べたいです。
ちなみに青雉大将は私が運動会の時にアイマスクを借りに行ったからか顔を覚えていてくれて、氷のアイマスクを作ってくれました。
そして「大佐に会えるといいね」と言ってきました。
私がヘビースモーカー大佐のお陰で養成学校にいることをご存じだったのでしょうか?


それではよい夏の休暇をお過ごしください。
ヘビースモーカー大佐。



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「もーねぇ。歩調の時にあの子ずっと叫んでたのよ。『大佐に会いたい!』って。かわいいねぇ。君ってば憎いねぇ」
「うっそ!それはいじらしい!…にしても、あの地獄の訓練をこんなに楽しそうに手紙に書くなんてスゴイ子ねえ。ヒナ驚嘆!」
「…ヘビやカエルが旨い…だと?ありえねえ…。あの見た目だぞ…」
「あの子、全ての訓練にしっかりついてきていたからねえ。…たおやかそうなのに、割と根性あるみたいよ。いい子見つけたね」
「…いつか皮剥ぎを披露したい、だと?」
「あんた、昔ヘビ食べながら号泣してたもんねー。ヒナ懐旧」
「うるせェエエエエ!!今その話を出すんじゃねえヒナァアアアア!!昔の話だろうがァアアアア!!」
「スモーカー、割とデリケートだったのね」



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