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▼ 煙と卯月

初めまして大佐。
孤児だった私を海兵養成学校へと進学させていただきありがとうございます。
ただの孤児でしかない私が大佐の目にとまり、今回の支援制度の対象となったこと本当に幸せに思います。
その条件に毎月手紙を、ということでしたのでこれからの生活をたくさん書いて大佐にお届けしますね。
明日からの寄宿学校の生活を思うとわくわくして夜も寝られません。
たくさんのお友達ができるといいな、と思っています。
あ、もちろん勉強と鍛錬も頑張って将来は大将になるくらいの志を持って頑張りますね。

あなた様の名前は伏せての支援ということでしたので、ただ大佐とだけ宛名に書かせていただこうかと思いましたが、海軍には大佐がたくさんおられます。
孤児院に来ていただいた際に、実は私はあなたを少しだけお見かけしました。
背を向けていて、逆光でしたのではっきり言ってよく見えてはいません。
けれどやたらモクモクとタバコの煙が身体中から排出されていましたので、大佐はかなりのヘビースモーカーなんですね。

だから、これから大佐のことはモクモク煙のヘビースモーカー大佐さんとお呼びすることにしました。
気を悪くしたらごめんなさい。もう明日に備えて寝ますね。

それではおやすみなさい。
ヘビースモーカー大佐さん。


――


「ほとんど名前バレしちゃってるも同然ね。ヒナ爆笑」
「…」


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