▼ 鷹と卵
ある日突然少女が俺の根城に現れた。
「あんた、世界一の剣豪って本当?」
「そう言う奴もいるな」
「ならあたしを弟子にしてよ」
「何故だ?」
「両親が殺された。剣で。だから剣で復讐したい」
「浅はかな理由なり。弱きものよ。…して、どうやってここまで辿りついた?」
「子供の武器を使ったのよ。ありとあらゆるね。知りたい?」
「いや遠慮する」
「なら居てもいい?」
「…何故そうなる?」
「いいの、駄目なの、どっちなの?」
「どちらか決めねばならぬのなら…いい、の方か」
「なら決まりね」
…とりあえず、当面の暇つぶしにはなりそうだった。
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