柳に鬼の手 | ナノ
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先日助けていただいた者です。

*不純?な話なので注意!そしてくだらない!





「先日助けていただいた、さくらという者です」

お辞儀をしながら目の前の男にそう言った。
そして、今日はそのお礼をしに来たのだと告げれば男は片眉を上げて、へぇ、と笑った。

その男とは、宇髄天元である。音柱の。
とある夜、突然現れた鬼に食われそうになった私を助けてくれた人だ。

「夜に尋ねて来るってことは、そういうことかい?」
「今宵は帰って来るなと両親に言われております」

私の言葉に宇髄さんは更に笑った。「成る程ォ」。そして愉快そうな目で私を品定めするように眺めると、「いいだろう」、そう言って手を引いた。

心臓が飛び出そうなくらい強く打っていた。
こんな事をするのは初めてなのだ。
極度の緊張の中ごくりとつばを飲み込み、私は宇髄さんの家に上がった。すると…

「おーい。雛鶴、まきを、須磨ァ!客だ!」

宇髄さんは奥に向かってそう叫んだ。
え??
私は自分の耳を一瞬疑う。
今彼は女性の名を、しかも複数人呼ばなかったか??

「はい天元様!只今参ります!」
「あらあ!女の子!どうしたの?迷子?」
「夜中に出歩いちゃ駄目じゃない」

わらわらわら。
私は唖然とした。
だって家の奥から胸元ドーン状態の綺麗な女性たちが三人も現れたのだもの!
その三人は宇髄さんの側までやってくると私を物珍しそうに眺めつつ、当然のように彼にぴったりとくっついている。

「…」

あ、これって、色っぽい系のことに間に合ってるってヤツだ。
そもそもこの人、女に困ってないや。

私は、ははは、乾いた笑い声をあげるしかない。
帰ろう。
そう思った。
うん。そうしよう。帰ろう。

「出直しますね」
「まあ待て。おい、お前らァ!こいつ、命を助けてもらった礼に身を差し出すってよ。派手にもてなすぞ!」
「ええ?!そうなの!??なら……。やだもう!天元様ったらぁ!!」
「じゃあまず、お風呂ね」
「うふふっ。一緒に入りましょ」

踵を返そうとするも、私はあっさりと宇髄さんに捕まった。
しかも美女三人も一緒になって私の手を引くではないか。
まずはお風呂??
待って??
すでに三人も美女がいるのに??
ねえ??私必要???
しかも美女さんたちはそれでいいの??!

「…さあて。四人相手は初めてだな。どうしたものか」
「!!!!」

私は青ざめた。

宇髄さんは強引に手を引かれていく私にそう言って、くつり、笑っている。