柳に鬼の手 | ナノ
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炭治郎に応援されたい

テストが近い。
しかし、度重ねた居眠りのツケがまわっている私ははっきり言って窮地だった。

「炭治郎〜。こんな私にエールを送ってぇ〜」

空白だらけのノートを前にうなだれ、隣の席の炭治郎に泣きつく。「いいぞ」。優しい炭治郎はにっこり笑うと拳を握った。

「頑張れさくら頑張れ!負けるなさくら!君は今までよくやってきた!」
「頑張れない負けそう今までよくやってきてない」
「さくらはできる奴だ!」
「できない子だよぉー」
「今日も!これからも!授業中寝ていても!」
「今も眠いよぉー」
「さくらが挫けることは絶対にない!」
「無理しんどい挫けそう」
「さくらは長女だから頑張れるけど、次女なら頑張れなかった!」
「私次女。即ち頑張れない」
「負けるな!燃やせ燃やせ!心を燃やせ!!」
「火気厳禁んん」
「将来のことをちゃんと考えろ!」
「私に未来はない寝ていたい」
「幸せな夢の中にいたいよね。わかるよ」
「でも悪夢ばかり見そう逃げたい」
「逃げるな卑怯者!逃げるなァ!」
「いっそ卑怯者でいい」
「逃げるなァ!責任から逃げるなァ!」
「んああ。セキニンって何だっけ」
「逃がさないぞ。地獄の果てまで逃げても追いかけてテストを受けさせるからな」
「怖い怖い。炭チャン怖いヨ。あーカナヲちゃーん、ノート見せて」

ヒートアップして変な感じになってきた炭治郎。私はハアアーと溜息を吐きながら、真面目優等生のカナヲちゃんに助けを求めることにした。

「えらい!」

すると炭治郎はパアッと笑って私の頭をペムペムした。

「頑張れさくら!授業中寝まくって恥を晒してばかりのさくらでも凄いんだというのを見せてやれ!!」
「おおぅ最後ひどい」