超短編!(令和〜) | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
男友達の住む家にイケメンがいる件

そこにいくと顔を合わせてしまう人たちがいる。
その時の私の用事はルフィのアパートに行って彼に会う事だけだったのだけど、彼はルームシェアをしているので家に呼ばれるとルームメイトと鉢合わせてしまうのだ。そしてその二人いるルームメイトのどちらかは私が行くときに大抵在宅していて、訪ねてきた私を必要以上にもてなしてくれようとする。

「おー、ルフィの彼女さん♪あがんなあがんな〜」
「か、彼女じゃありません!」

部屋のチャイムを押せば、現れた人物に笑顔と共にそう言われた。私が反論しても、「いいって、否定しなくても」なんて言いながら、頭に載せてあるバスタオルで濡れた頭をガシガシと拭いている。…にゅ、入浴直後。ルフィのルームシェア相手の一人であるエースさんはしっとりした上半身を惜しみなくさらす短パン一丁という出で立ちでおり、リビングのソファを指さして「座ってな〜」と、さらに笑顔を見せてきた。
「…」
私はその半裸姿からつつましく目を逸らしながら、すすめられたソファに座る。この人は前も半裸だった。多分、次回会う時も半裸な気がする。…そんなどうでもいい事を考えているとガラスのコップについだ麦茶を出される。その際に側に寄ったエースさんの肌からふわんとあたたかな石鹸の香りがして、それが鼻を突いて(んあぁあああ…)となる。初めに否定した通り、私はルフィの彼女なんかじゃなくてただの友達で、ただゼミが一緒で、レポートを書き上げるのに必要な資料をルフィとまとめるためにここに来ただけなのだ。私は絶賛彼氏募集中なのだ。そしてはっきり言ってエースさんはかっこいい。ものすごくかっこよくて面白くて優しそうで体型も素敵で(←)、だから私は先ほどからドキドキしっぱなしなのだ。あああああ。ルフィに会いに来ておきながら、まだここに現れないで欲しいなんて思いながら出された麦茶を震える手で持って飲んだ。すると…

「彼女さん!お菓子も食う??ガープのじじいが送ってくれたせんべい、あるぜ??」

なんて、超絶素敵な笑顔でそう言われるからまたしても「彼女じゃないんです!!」と私はムキになって大声で言った。

「いやいやいや!遠慮すんなって!いやあ、おれたちの弟みてぇなルフィに彼女ができる日が来るなんて思ってなくてよお〜!おれもあいつもあんたがカワイイ妹にしか見えなくて仕方なくて。あ!だからおれのこと、兄貴って思ってくれていいからな!な??何かあったら頼れよ?なあなあ、ちなみにルフィのどこが好きなんだ??教えてくれよ!」
「違いますーーー!」

あああああ。
私はすぐさまルフィとの関係を否定しつつ、隣にどかんと座ってきて間近にまでせまったいい匂いのする半裸のエースさんに意識を失いそうになった。

ああ、ここは天国だ。


prev / BACK / next