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男友達の住む家にイケメンがいる件C

そこに行くと出会ってしまう人たちがいる…のだが、今日は2人とも不在らしかった。

「カンパーイ!」

ルフィの部屋に集まったみんなは、持っているお酒の缶をカチカチッと合わせた。前々から取り組んでいた共同作成レポートの提出がようやく済んだので今宵はそのお祝いである。エースさんとサボさんは用事か何かで明日までいないらしく、だから酔いつぶれてもいーぞ!とルフィが楽しげに言った。
持ち寄った食べ物やお菓子をつまみつつゼミ仲間でワイワイやるのは本当に楽しい。でも私は台所や洗面所を使わせてもらうたびに、そこにあるエースさんやサボさんの私物を見て勝手にドキドキしていた。い、一緒に暮らしてたらここでご飯食べたり並んで歯を磨いたりしてるんだよね??うわっ。そんな想像してる自分ちょっとヤバい。私はふるふると頭を振って妄想を追い出すと、ルフィの部屋に戻ってイェーイ!とお酒を飲んだ。で、飲み過ぎた。

深夜。ナミやゾロやサンジ達がすぴすぴ言いながらカーペットの上でごろ寝しているのを踏まないようにしながら、ふらふらとトイレへ向かった。吐き気はなかったが頭がくらくらして、歩くのがとても難儀。少し動いただけなのにグルングルン回りはじめた視界にあーもう無理とリビングに座り込んでしまう。…あ、ソファがある。いいや、もう。ここで、ねよ。私は部屋に戻るのをあきらめて、ソファによじ登るとそこに沈み込んで目を閉じた。
すると、ギシリと音がしてとなりに誰か座るのがわかった。多分、サンジ??あー眠い、と呟いたその人はハア…と息を吐けばそのまま動かなくなる。ふふ。この酔っ払いー。するとぐらりと倒れてきたその人の頭がこちんと私のにぶつかる。しょうがないなあ。いいよそのままで。



窓から差し込む光が瞼の隙間から入り込み、私はその刺激に気付いてうっすら目を開けた。頭が猛烈に痛かった。首も痛い。私は誰かの肩を枕にしてソファで寝ていたみたいだった。ん、何だかとてもいい匂いするなあ。アルコールの匂いもするけど、その人自身の香りのような何かが。思わず鼻をひくひくさせてしまい、その行為にくふ、と変な具合に笑ってしまった。
「起きた?」
「!!!」
すると頭上から笑い含みの穏やかな声。う、うそ。私が目線を上げてみれば、そこにいるのは居ないはずのサボさんで。

「昨日の友達ん家の飲み会、泊まるのやめて帰ってきたんだ。そしたら君がいたからおれもここで寝ちゃった」

そう悪戯っぽく小さく囁いてきたサボさんに、私の酔いは一気に冷めた。

私!ヨダレたらしてないよね???


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