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男友達の住む家にイケメンがいる件B

そこへ行くと出会ってしまう人たちがいる。ルフィとアパートをルームシェアしているエースさんとサボさんだ。そして、何と今日は珍しいことにルフィは家にいた。リビングにて待たされることに慣れている私は驚いたが、まあ、本来ならこれが普通だよね。
…というわけで、エースさんサボさんとの絡みがないまま(悲しみ)私はルフィの部屋に入った。小さな机にレポート用紙と本を並べ、向かい合って座れば勉強の体制に入った。「お茶でぇーす!」。するとガチャンとドアが開いてニッコニコの顔したエースさんがいつも通りお茶とお菓子を運んでくれた。そして、おお!サンキュー!とキラキラした顔でそれを受け取るルフィ……って、あれ??いつもならそんな感じでお盆を受け取って、持って来てくれたお菓子が何なのか確認するはずなのに、今日は突然開いたドアにビクッと肩を揺らしたルフィがわずかに挙動不審になりながらエースさんからお盆を受け取ればぼそぼそとお礼を言っていた。??。ど、どうしたの?あんなに仲のいいエースさんと何か気まずい事でもあるの?…私がそう尋ねると、ルフィはえぇと…と目を逸らしながら口ごもる。珍しいことに頬をちょっと赤く染めたりなんかして。

「おれ、そんなこと…、ちっとも考えたことなかったんだけど、さぁ…」

そして頭をクシャクシャ…ってかきながら、おれたちって、付き合って…んのかなぁ?…と。恥ずかしそうに目線をうろうろさせながら言ってくる。は、はいぃ??

「エースもサボも、お前のこといつも彼女彼女って言ってくるだろ?おれ、今まで意識したことなかったのに、何だか、その。そう言われると、さ。お前のこと別に嫌いじゃねェし、むしろ、…すき、だし。一緒にいる時間も多いし。だからさぁ、その…」

さまよっていた瞳が次の瞬間、たじろぐしかない私をしっかりと捉えた。あ、ああ…。そう。そうだ。エースさんもサボさんもイケメンだけど、実は、ルフィもなかなか、イケメン…だったんだよなぁなんて。彼の顔を見つめればそんな事を思い知る。
しん…と静まり返った2人きりの部屋の中で、いつになく真剣な顔したルフィに真っ直ぐに見つめられていた。今度は私が動揺しながら視線をさまよわせる番になった。

「ルフィ!しっかり!!」

ちなみにお茶を差し入れしてくれたエースさんはドアを薄く開けたままこの流れをちゃっかり覗いていてエールを送っているし、「あーあ。もどかしいままでよかったのに」、その側にはしっかりサボさんもいたりする。

み、見ないでください。


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