超短編!(令和〜) | ナノ
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彼氏とデートなう、に使っていいよ

「え?ストーカーされてるの?!?」

お昼休み、私の前に座るコアラちゃんが素っ頓狂な声を上げたので、私は慌てて音量を下げるよう彼女を制した。最近少しおかしな出来事が続くのでそれの相談をしていた所であった。先日告白を断った男の子とやたら顔を合わせるのだ。学校だけでなく、行きつけの店やバイト先、はたまた、帰り道の途中など。さすがに気持ち悪くなって一緒に帰ってもらおうとコアラちゃんを誘う。「おい、エマ」。すると、近くの席でごはんを食べていたサボ君が立ち上がれば私のスマホを取り上げて画面をスライドさせ、カメラを起動させた。その後私のそばに寄ってぴったりと身体をくっつけてくる。え?!…と驚いていると、お互いのほっぺたがくっつく距離にまでに顔を近づけたサボ君が笑えよ、と言ってきた。「え?」「いいから、笑顔になれ」。そしてなんとか笑顔を浮かべたところで、サボ君の指がパネルをタッチしてシャッター音が鳴った。

「これ、今すぐリンスタにアップしろ。彼氏とランチ中、ってな」
「えっ」
「それを見りゃ相手もやめるだろ。ストーカー」

…で、サボ君は私にフッと笑いかければ席に戻ってごはんの続きを食べ始めた。…。どうやら偽装彼氏を買って出てくれたらしいけど、もしも相手が変な気を起こしてサボ君に危害を加えたら…と考えてしまうと不安になる。すると、側でこの流れを見ていたコアラちゃんは私の考えていることを察したのか、笑いながら「だいじょーぶよ」、と力強く言った。

「何かされても返り討ちにしてやる、って顔してたから」

ニマニマしながらそう言ってきた。
え?サボ君、そんな顔…してた?
ずっとニコニコしてただけだったけど。


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