超短編!〜平成 | ナノ
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みんなが意地悪

*あなたは麦わらの一味にトリップしちゃった女の子




いきなりマジでヤバすぎる妙な異世界へと飛ばされてしまった私はこの現実についていくことができずおいおいと泣いていた。
ルフィ、と名乗った船長(若いのに!船長って!!)はそんな私を慰めるかのように側にしゃがんで私に笑いかけてくれた。ちなみに他のメンバーも皆さん全員優しかった。彼らも同じように私の周りに集まるとヨシヨシ頭を撫でてくれながらルフィ同様に私を慰めようとしてくれた。

「まー、そんな泣くなよ。このまま進んでればおまえの故郷にたどり着くかもしんねぇだろ?」
「あのねえ!きっと!ぜったい!ここ地球じゃないよ!!たどり着けないって!泣くしかないじゃん!うわああん」
「悪魔の実の能力じゃねぇの?なら、その能力者に会えりゃ帰れるから安心しろ」
「え!?ほんとうに!?」
「ま、会えるかどうかわかんねぇけどな。世界は広ェ」
「!!期待させといて、絶望させないでよぉ〜!うわああん」
「ねえねえ。あんたのところのお金、ベリーとちょっと似てるのねぇ。…というか、あんた所持金少なくない??大丈夫?」
「ぎゃあ!いつの間にか財布取られてる!!返せ!どうせ貧乏ですよ!!うわああん」
「なあおまえ!!その服めちゃくちゃ破れてるぞ!?何でだ?!ああ!そうか!貧乏だからか!」
「ちがう!これはデザイン!!ダメージデニムなの!!貧乏だからじゃない!うわああん」
「お嬢さん、そんな隅っこで泣いてないで落ち込んでいる時こそ陽の光を浴びましょうよ!!ヨホホ!そしてパンツ見せましょう!」
「誰が見せるか!それに陽なんか浴びれないよ!日焼け止めないもん!!美白化粧水もここにないんでしょ??ならずっと日陰にいなきゃ!!うわああん」
「ヨホ!気にする割には色、黒いですよね!ま、わたくしはホネだからいっつも白いんですけど!!」
「クッソムカツク!!黙ってろホネ!!どうせ私は色黒だよ!!うわああん!」
「まあ落ち着け。あ、ほらかわいいイルカだぜ。見て見ろよ」
「え?イルカ??どこどこ……って、でかいわーー!!かわいくないし癒されない!うわああん」
「おい!お前の持ってたコーラ、ダイエットコーラって書いてあるけど何だよ。燃料にならねえじゃねえかんなもん飲ませんな」
「勝手にテメェが飲んだんだろうが!!うわああん」

酷い人たちに泣きながらギャアギャア喚いていると、ロビンさんがにこやかに笑った。

「異世界から人が来る、だなんてね。私が今まで読んだ文献にない事例だけど…小説でなら似たようなものを見たわよ。ウチュウ、人…だったかしら?あなたってそうなの?」
「ワレワレハ…って違うわー!」
「ロビン、ウチュウ人って何だ?」
「他の惑星からきた軟体の生物よ」
「軟体って!!よく見てよ!見た目あなたたちと一緒でしょーが!!せめて異世界人と言ってよ!私はヒトだよヒトっ!!うわああん」

ついには未確認生命体(しかも軟体)扱いされた私がそう叫んでさめざめと泣いていると、ルフィが「んんんっ??」と首をかしげながら何かを考え始めた。「見た、目」。そして私をしげしげ観察すると「やっぱお前、ウチュウ人だろ!」と言ってくる。ハァ?!なので私がすぐさま彼に何でだよっ!!と噛みつくと、ルフィは悪びれもせずに屈託なく笑った顔のまま言った。


「だってお前、ナミやロビンと違って、こう、何だ?身体の線って言うの?何かに似てんだもん。んー、何だったっけな??おい、サンジ!サンジがパスタ作ってくれる時に使うあれ、アレ何て名前だっけ??」
「寸胴鍋」
「ヒィイ!!ついにその禁断の言葉を!」
「そうそれ!!だってお前それに身体つき似てる!だからお前はヒトじゃなくてウチュウ人だ!!気に入った!おいお前、おれの仲間になれ!」
「なるかーーッッ!!!」


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