超短編!〜平成 | ナノ
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キッドの奥様が妊娠したってよ。


「チ…、何で俺の船に外科医野郎が乗ってやがるんだ…これ以上ねえほど胸糞が悪ィ…」
「…別に俺は帰ってもいいんだが…。それに言っておくがこれは専門外だぞ…」
「いや帰らないでください。お願いします。ぜひ看てください(ぺこり)」

「…チ…。ガキなんて作りがって……。そんな面倒くせぇもん、この船には不必要でしかねえよ…。マジでありえねぇ…」
「ガキは一人じゃできねぇからな…。半分はお前のせいってやつだからな…」
「本当にすいません。…お頭気が立ってて…。この部屋です。よろしくお願いいたします。(ぺこり)」

「…クソ……。外科医野郎にアイツの身体見せるなんて……。犯されてるような気分だ……。クソ…。腸が煮えくり返る…」
「俺の能力で診察するから直接は見ねえよ…。スキャンって技知ってるだろうが…」
「本当に本当にすいません。診察後はあちらに一席設けておりますから、どうか頭の態度をお許しください(ぺこりぺこり)」

……。

「かなり言い難ィんだが……」
「クソがァア!!!何だってンだァアアア!!!アイツに何かあったのか!!!それともガキに何かあるのかァアアアアアア!!!!言えェエエエエ!!!あ、こっちに来い!!アイツがショックを受けちゃあいけねぇえええええ!!!」
「あの女にはもう言った」
「何で俺の許可なく伝えやがったァアアアア!!!クソが!!!死にてえのか!!テメェ!」
「申し訳ありません。もう本当に申し訳ありません。…で、一体何が…」
「多胎だ」
「何だそりゃァアア!!クソ!医者だからって難しィ横文字言いやがってェエエエ!タタイって何だよ!まさか…病気か!!?畜生!!」
「横文字じゃねえし病気でもねえよ。胎児が多い……つまり、テメェの子は一人じゃねぇってことだ。…あの女は三つ子を腹の中に宿している」
「!!」
「本当ですかそれは…。そりゃあ……大変だ…」
「……」
「頭?」
「……ウ…」
「…頭??」
「……ウッ……ウゥッ……グス……。マ…ジかよぉ……。グスグス……」
「……」
「……」
「ね。キッドすごいね。三人だって!どうしよう私」
「おいおいおいィイイ…。なあ…お前、…信じられるか??俺ら……、いきなり……五人家族になるんだってよぉ……。お前、すげぇなあ……。こんな小せぇ腹ン中に……三つも奇跡宿してやがんだぜ……。…ッ!!クソ!!まだいやがったのか!!てめぇは用事すんだならさっさと帰りやがれ!!!邪魔だ!!」
「……ああ。…………まあ、…おめでとう」
「もうマジで本当に失礼な態度ばかりで申し訳ありませんでした。診察料は言い値をお支払いいたします(深々とぺこり)」
「それじゃあ俺はこれで……」
「あ、先生どうもありがとうございました(トコトコ、ぺこり)」
「あああ!!動くな動くな!!!子に何かあっちゃいけねぇ!!!お前は寝てろ!!ずっと寝てろ!!そんでもってメシ4人前食ってろ!!!」
「そんなに食べられないよ…」
「いーや!食え!じゃねぇと子が弱っちまうだろうが!!あああ!いい!いいから!!床の物を取るときは俺に言え!!いいな!?」
「実は、というかもう見ての通りの愛妻家なんです。でも…こんなんでも本人は隠したがっているんです…。なのでぜひ他言無用にお願いしたいです(これ以上できないほどぺこりぺこり)」
「…口止め料も上乗せしておくよ。クックック」

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