超短編!〜平成 | ナノ
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忘年会♪

年末が近くなるとポーラータング号ではペンギンが幹事となって忘年会が開催される。
宴好きのクルーばかりだからみんなノリノリで準備を行うのだが、ただひとり、船長だけはいつもの仏頂面でそんな私たちを呑気な奴らだ…と言わんばかりに眺めている。私としては船長も「今年も生きながらえた!ラッキー♪」ってことで忘年会くらいはハジけて欲しいんだけどなぁ。私はそう思いながら船長へと近づいた。

「船長船長。私、船長にぴったりの忘年会の出し物を思いつきましたよ」
「…」
「あのですね!世間じゃリンゴにペン刺したりパイナップルにペン刺したり、そういうのがメチャクチャ流行ってるんですよ」
「…全く意味が分からねえな…」
「それでですね!船長の出番ですよ!船長の能力でスパっと何かを切って、何かとくっつけちゃってですね!あ!BGMは私が用意しますから!それでアポーペーンとか言いながらニコニコ笑ってくれれば皆大ウケすると思うんです。どうです??今年の締めくくりに!」
「…」
「私を横半分に切って、魚と繋げて、『マーメイド〜♪』ってやってくれてもいいですよ☆」
「…へぇ?……なら。…やってやろうか」
「え!本当ですか!!そりゃすごい!!」

…と、なんと今年は奇跡が起こったのか船長が私の提案に対して頷いてくれた。忘年会、何だか楽しくなりそうな予感!!


・・・数日後


「あれ?何で甲板にムッキムキなクンフージュゴンがいるの?」
「あーそれ?船長が捕まえておけって言ってきてさー。何に使うんだろうなそんなもの」
「……(…まさか)」
「あ、船長。一番体格のいいヤツ捕まえておきましたよ」
「ああ。すまねぇな。クックック。よかったなエマ。望みどおりにしてやれるよ」
「あ、あれ?船長、なんで私の首のとこに鬼哭あてがってるん…ですかね??せめて腰、じゃないですか??」
「クンフーエマに…してやるよ。希望どおりだろ?ジュゴンは人魚話の元になった動物だ。クックック。クーックックック」
「ええええぇええ!!いやーー!それ絶対にかわいくないっ!あ、あぁああー!ウギャアアアーーー!首がぁああああ!!」


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