超短編!〜平成 | ナノ
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ハートの海賊団と未来から来た子

正式題名→ハートの海賊団と某国民的アニメのようなテクノロジーに追いついた未来の日本からトリップしてきた女の子
オリキャラ(ロボット)登場します



ある日おれが甲板掃除をしていたら、まるで時空がずれて歪むような映像と小さな雷のような閃光が走る光景が見え、そこから何と奇妙な格好をした女の子が零れ落ちてきたので慌ててその子をおれはキャッチした。

「わぁあああ!!…って、あ、ありがとう助かった!ふーん。この世界にもロボットいるんだ!あなた型式は??」

その子は俺を見るなり朗らかに笑ってそう言った。「かたしき?何の事?」「は?わからないの?あんたポンコツ??…でもなさそうねぇ。見た目ほぼ白熊だし、なら最新式よねぇ。…でもなんでブラシ持って掃除してんの??あんたの相棒がそう命令したの?変なの!」。けれど彼女の質問に答えあぐねていたらそう言われた。変でスイマセン…。


「あーもう。タイムマシンの設定無理やりいじくるんじゃなかったなー。ここどこなんだろ??しかもアイツはちゃっかりこっちにいないときてるし…。ヘイ!イライザ!!タヌキに連絡!もしもーし。ちょっとタヌキ!聞こえるー??ワケわからない場所に来ちゃったの!早く助けに来なさいよ!」
「…キャプテーン。変なの落ちてきたし、誰かと妙な道具で連絡取ってるけどどうしよう?」
「能力者か?」
バッシャーン!「うおおおい!!やめてよ!パイナップル社のこのモデル、水にちょっと弱いんだから!しかも海水ってありえない!これだから別世界は…ブツブツ」
「…じゃねぇみてえだな。…そしてお前、何だその手の中の薄い機械は?」
「ウゲ!あなた何?!武器持ってるし!!ここ危ない世界なの??ヤッバ!逃げるが勝ちってやつ!?」…ゴソゴソ!
「うわーー!何か出てきた!小さな袋から大きな物が出てきたよーー!」
「じゃーねー!さらばっ!」
「待て!ROOM!シャンブルズ!」
「うぎゃあああーーー!元の場所へ戻された!!そんなことできる道具聞いたことない!」
「おいお前!!どうして能力者でもねぇのに空を飛べた?!しかもその袋は何だ!?明らかに出せないサイズのものが出てきたじゃねぇか!!」
「えー?四次元ポーチ知らないの??精巧な白熊ロボットがいるのにコレはないの?」
「お、おれロボットじゃないよ!」
「怪しすぎる女だな…。ペンギン、牢屋に入れとけ」
「ちょっと離してよ!!怪しい者じゃないって!!ただ事故で来ただけなんだって!!ああああーーー!四次元ポーチとスマホも返してよっっ!!私の命の次に大事なスマホ!!!もうっ!!全部あのポンコツタヌキの所為だ!!役立たずの馬鹿!!離してぇえええーーー!!」


…数日後。


「ねぇ。前この機械に話しかけてたよね??おれが触っても何の反応もないし、この袋からは何も出せないのってどういうこと??」
「フーンだッ!私以外使えませーん!…というか認証システム知らないの?」
「にんしょうシステム??」
「本当に知らないの!!??天然設定にされちゃったの?!ウチのよりポンコツじゃん!」
「ポンコツでスイマセン…」
「あああ打たれ弱ッ!!…というか、ここから出してよ!!家に帰るんだから!!クソー!!ポンコツタヌキはまだ来ないし!!有り得ないィイイ!」
「ねぇねぇー。お願いだからこの機械とかのこと教えてよー!キャプテンが知りたがって大変なんだからー」
「…キャプテンってあの武器持ってた背の高いフカフカの帽子被ってた人のこと?」
「そう。怒らせると怖いんだよ…。だから教えてくれないかなぁ??」
「…フ、フーン!!別世界の人にペラペラ話せることじゃないんだよーだ!悪いけど…って!!うわああ!キャプテンって人が来たぁ!!」
「よしわかった女。話さないなら話したくなるようにしてやろう。ROOM…」
「ちょ!!待って待って!うぎゃーーー!手が!手が切れた!!…って痛くない!最近の病院の手術が麻酔なし痛みなしで出来るってこのことかー。…いやいや待て待て!!完全切断じゃんこれ!!うわーんもうヤダ!!ポンコツタヌキーーーー!!」

そして、ギャーギャー泣き喚いては妙な事ばかりを言う彼女はしきりにポンコツタヌキという人(?)に助けを求めていた。

そんな彼女は持ち物の事について話すことを散々拒否していたけれど、暫くキャプテンの切断拷問が続くとそれに耐えかねたのかその後は渋々それらについて教えてくれるようになった。
彼女が袋に手を入れると、そこからはたくさんの物が出てきたから船長もおれも他の皆も目を丸くするしかなくて、その道具がもたらす奇跡みたいな現象にはシャチは驚きすぎて気絶しかけた。
それらの物を見ていた船長が、少年のように目をキラキラさせ始めていたことに気づいたのは恐らくおれだけではなかっただろう。
女の子の話しに出てくる空間移動できる装置やレーザー銃や戦うロボット・宇宙を翔ける船の話にどうでもいいような態度を取りつつもずっと頬を紅潮させて真剣に耳を傾けていたキャプテンは、いつの間にか彼女のことを牢屋から出して自分の側に置いていて、女の子はキャプテンの望むままに不可思議な道具の説明や暮らしている世界の話をずっと教えてあげていた。


そんなある日、空に再び歪みが生じて閃光が走ったかと思えばそこから何と喋る大きな猫が落ちてきて、おれたちは目を見開いた。
「タヌキーー!!!」
あれからすっかりおれたちと仲良くなった女の子は、その猫(タヌキと呼んでいたのに猫!)を見るなり泣きそうに顔を歪めながら走り寄って抱きついた。「馬鹿!遅いよ!!」「ごめん。これでも急いだんだ」「馬鹿馬鹿!」。ポンコツだ役立たずだ…と色々罵っていた割に、しっかりと抱擁しながら安心しきった顔をする彼女のその姿を見れば二人?にはかなり深い信頼関係はあるみたい。女の子は猫と再会を喜び合った後、優しい手つきで彼(?)のことを撫でていた。


「よ…っし!じゃあ、帰らないと……いけないよね。うん。…あの、みんなお世話になりました」
「えー帰っちゃうの?」
「……学校あるしね。あ、でも、また来るから。絶対に。…あ…泣いてなんかないよ??!ちょっと目にゴミが入っただけだから!!タヌキッ!早く行こう!!タイムマシン出して!」
「それはできない。君がここへ来たのはタイムマシンのシステムを派手に狂わせて壊したからだ。それと同じ方法でないと僕も来られなかった。だからここに正常に機能するタイムマシンはない」
「は?え!?な、何言ってんの!??ここへは一方通行ってこと?!私たち帰れないの??!!」
「今はそう。一応時空管理局に連絡しておいたから、何らかの対策はとってくれると思う。けどいつになるかはわからない。何しろ僕がここへ移動する際の到着時刻設定なんてできなかったからな」
「何それ!!意味が分からないよ!ならなんでアンタここへ来たのよ??」
「君が淋しいんじゃないかと思って」
「淋しくなかったわ!!!!!こっちには打たれ弱くて天然設定の白熊型ロボットがいるもんね!!それにキャ……アアア、アンタはただのバッドニュースメッセンジャーなのか!このポンコツタヌキ!!!」
「いつも思うがポンコツは聞き捨てならない。そもそもは君がシステムを無理やりにいじくったからこんなことになっている」
「うるさい!!黙ってろポンコツ!!ああもう!!何でこんないちいち口うるさい設定にしちゃったんだろ!!??イケメンヒューマノイドイエスマンロボットを買えばよかった!!じーちゃんとばーちゃんが喜ぶからっておせっかい系猫型にしたのホント失敗!!帰ったらリセットして………そっか。…もしかしたら帰れないのかぁ…」
「あのねあのね!!何度も言ってるけどおれはロボットじゃないよ!!」
「猫…お前は…ロボットなのか!??(目から光線出せるか聞きてェ…)」
「君を世話してくれた人間か。…ピピピ。…ふむ。濃い隈による不健康さは気になるが、けれどこの顔立ちは君のタイプど真ん中という分析結果となるぞ。成程。淋しくないわけだ」
「タヌキィイイイ!!冷静にそんな分析するなァアアアア!!!そんな事…何で…何で声に出して言うんだよッッッ!!!馬鹿馬鹿馬鹿ーーー!やっぱりお前は何から何までポンコツだーー!!」
「わー!君キャプテンのこと好きなんだね!」
「馬鹿ァアアア!!お前もやっぱりポンコツかァアアア!!!!」
「…ポンコツでスイマセン…」


長くなったので終る!

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