超短編!〜平成 | ナノ
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逆トリゾロには教育必須

ある日我が家にやってきたのは若そうであるのにすでにいくつもの修羅場をくぐってきた…と見ただけでわかる怖い顔した男の人だった。多分左目は…仁義なき戦い等で失くされたのでしょう。触れないでおきます。持っている日本刀についても…詳細は触れないでおきます。
けど、話してみればそこまでヤバくもなかったし、右って言っているのにナチュラルに左に曲がっていくその救いようのない方向音痴っぷりが何となくかわいくて、行く当てがないという彼を仕様がないなあ…と言いながらとりあえず家で保護してあげた。散々文句を言われたけれど、日本刀は三本とも取り上げて押入れの奥底へととりあえず封印。
…で、本日。彼がこの世界の剣豪(!?)の腕前を見てみたい…というので近くにあった剣道道場へ見学へ連れて行ってあげた。

「何だこの甘っちょろい練習風景は…。一心道場のコウシロウのメニューより酷ェじゃねえか」
「こんなものですよ最近は。…多分ですけど」
「…フン。だが実際に手合せしてみねぇと相手の真の実力ってのはわからねえからな。おい、そこのお前、俺の相手をしろ」
「ど、どなたですか!!?(お兄さん目が!!目がァアアアーー!!!)」
「待って待って!いきなりな上に竹刀三本持たないでくださいって!そんなトリッキーな事をしないでください!!」
「ハァ?前にも言ったが俺は三刀流なんだ。口出しすんじゃねぇ」
「口出しとか以前の問題です!!三刀流ってもう何なんですか…。キチガイだって思われますよ!!しかも一緒にいる私まで、何変な奴連れてきてんのコイツ変な奴。ああ類友か納得!…って思われちゃうんですよ!!それは嫌!」
「キチガイじゃねえよ!ガタガタ抜かすな黙って見てろ……って!!ウガアアアア!!辛ェエエエーーー!!テメェ、何で竹刀の柄に辛子塗ってんだァアアア!!!!!」
「姪っ子はこれで指しゃぶりを止めたんです。似たようなものかと思って…」
「ガキ扱いかふざけんなよ!!」
「注意したこと守れないなら子供と一緒です!」
「注意も何もねぇよ!俺のスタイルを否定すんじゃねえ!何なんだこの世界は!」
「あなたこそどの世界の住人なんですか!!」
「…帰ってもらえませんか?」


…そして私たちは道場から放り出されてしまいました。



*ごめんなさい。竹刀は大切に扱わないといけません。

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