超短編!〜平成 | ナノ
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彼氏が変態で困る

ローが目を閉じて腕を組み、何かを思い出しながら…と言った具合に話をし始めた。

「一度白ひげの船の側を通りかかったことがある」
「へー」
「…あの光景…。シビれたよ」
「へー」
「目に焼き付いて忘れられねえ」
「へー」
「だから…」
「…」

そしてニヤリと笑いながら部屋の隅に置いてある紙袋から取り出してきたものは…ピンクの色したナース服。プラス、ヒョウ柄タイツだった。
噂で聞いたことはあった。白ひげさんの所にいるという美人ナース集団については。「…買ったんですか」。それらを見て呆れたように言う私に、ローは大仰に頷いて私へとそれらを寄越してきた。

「さあ着ろ。…で、俺は患者だ」
「…私に命令するな」
「誰が船長だ。言ってみろ。船長の命令は絶対だと知らねえのか」
「一端のクルーにも拒否権くらい…」
「ねえよ。さっさとしろ」
「…」

…なので、仕方なくそれを着ることになった。
もうヤダ。
知らなかった。
ローが実はコスプレ大好き男だったなんて…。
付き合い始めてから判明した。
本当にヤダ…。
しかもそれで寸劇をやるのも好きだなんて。
いっそみんなにバラしてしまいたい。
けれどそんなことしたら私がバラされて魚の餌にされてしまうのは目に見えているからそんな事絶対にできない。


「今日ハドウサレマシタカ?」
「少し熱っぽい」
「風邪デスカネー。最近冷エマスカラ。熱デモ測ッテミマショウカー」
「もっと感情を込めろよ」
「アーハイハイ。じゃあ、口開けてくださーい」

そう促しながら近づくと、ローはあーと口を開けつつ、急にニヤリと笑えば私の後頭部を強引に引き寄せてまるで食らいつくようなキスをする。
そして言った。


「その恰好エロすぎだ。…患者になってる場合じゃねえ」



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