超短編!〜平成 | ナノ
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補修ダルいD

夏休み中の補習がマジほんと怠くて仕方なくて大変だったんだけど、それもようやく終わり、その最終日の学力テストが町の花火大会と重なっていたので試験後にすぐに行ったれ!ということで私とナミちゃんは浴衣を学校に持参した。
試験の出来具合はまあこの日ばかりは忘れることにして、教室から男達を追い出してキャーキャー言いながら着付け。

「本持ってきたけど、案外難しいねぇ」
「帯だよ問題は。こーやってあーやって…うーん」

とりあえず持ってきた本で試行錯誤してみるものの、なかなか難しい。スマホで着付け動画を出して見てみるけどやっぱり難しい!!
なので外で待ってくれている和装の好きそうなゾロの所へ行ってみた。

「ちょっと、ゾロ。あんた帯の結び方とかわかったりする?」
「ハァ?んなもんわかるわけがねーだろ。…。できねえのか?…」
「…帯なし浴衣…。…」
「ウキャァアアアア!!二人とも!!そんな姿で出てきちゃだめっだってば!!!危ないっていろいろォオオーー!!」
「困ったなぁー。せっかく持ってきたのに肝心の帯が結べないんだよねー。…って、あぁああああ!!!!!!エエエ、エース先輩!そしてサボ先輩!!」

あーあ、制服に着替え直すしかないか…って思ってた矢先、廊下の向こう側からやってきたのは憧れの憧れのエース先輩と、そのお友達のサボ先輩だった。
「お!一年生。まーた、おもしろそうな事やってんなぁー。このあと花火か?浴衣、いいなあ。かわいいじゃねーか」
「ああああ!!すすす、すみませんっ。こんな姿……。ううう」
もう顔から火が出るくらい恥ずかしい。
「せんぱーい。でも帯結べなくてもうこのままだと制服に着替え直しなんですよー」
ナミちゃんは残念そうに口をとがらせて先輩二人にそう言った。
すると、エース先輩とサボ先輩が「…」二人して顔を見合わせた。そしてこちらに向き直って言った。

「「俺ら結べるけど?」」
「え?」

…というわけで、二人が帯を手にして私とナミちゃんの後ろに立ってさささっと身体に巻いてくれている。

「締めるぞ」
「ははは、はい」
ギュー!
「苦しいか?」
「いえ、だ、大丈夫です!」

…そしてあっという間にきれいな文庫結びを作ってくれた。ひえー!まさかのまさか!人は見かけによらない!!


ルフィはそれをへーっと感心したように見つめ、ルフィ以外の男たちは「おおお…」…と、どういうわけか身悶えるようにしてそれを眺めていた。

「この時期浴衣の帯くらい結べねぇとな…。…男なら」

フフン
そう言って笑うエース先輩とサボ先輩に、男たちはひたすら感心したような顔を向けていて「し、師匠!」とか言ってる。

「後ろから…。帯プレイ…」

ローがぽつりとそう言った。「これが一年と三年の実力差…」…とも。


「何か複雑!」


ナミちゃんがフーと呆れ顔でため息を吐いてるけど、私はずっとドキドキが止まんない。
後ろからエース先輩とか…マジでヤバいから!!

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