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補修ダルいC

夏休み中の補習がマジほんと怠くて仕方ないから、各自何かおもしろいものを持ち寄って、補習後に気晴らししようって…で、いろいろしてたらスモーカー先生にある日チクっと怒られた。

「テメェら…。楽しそうじゃねえか。補習明けの学力テストの結果次第じゃあ追加補習もあることを覚えておけよ」

…と、まるで死の宣告まがいな事を言われてしまったので本日ばかりは仲良しグループのブレーンであるローを「ロー様」と呼んで図書室で勉強なんかしている。


「…というか、何でお前らがこんな問題すらできねぇのかが理解できねえ。いいか?理科と社会は暗記、国語は雰囲気、英語はその合わせ技、数学は気合で何とかできるもんだろ?」
「ヒー!取り組み方から意味不明すぎるどうしよう!追加補習確定じゃない?!ロー…じゃない、ロー様!お願いします!もっとアホな子でもわかる形でお教えくださいませ!」
「…チ…。面倒くせぇな…。てか、麦わら屋はすでに寝てるがいいのかよ」

そう言われて私の隣にいるルフィを見てみれば、開始10分たらずだと言うのにすでに教科書に突っ伏して寝ちゃってる。起きそうにない。私はぷ…と笑いそうになりながら、その頭に国語の教科書を乗せてみた。でも起きない。

サンジが理科の教科書を置いてみた。起きない。
ゾロが社会の教科書を置いてみた。起きない。
ナミちゃんが英語の辞書(分厚い)を置いてみた。…起きない。
ウソップがク…となりながら数学の教科書を縦にしておいてみた。グラグラ…。「うぉおお!」「しーー!!」。…やっぱり起きない。

くつくつ
プププッ

噴き出しそうになるのをみんなで必死で堪えながら、縦になった教科書の上に今度は私が図書室にある本を抜き取ってそろそろと慎重に置いてみた。うーん!起きない。そして絶妙なバランス!
すると今度はゾロがニヤニヤしながらその本の上に二冊の本を互いを支え合うようにして三角に置いてみた。グラグラ…。「わーー!」「しーーー!!」。置けた!…そしてそれでも起きない!

ローが呆れた顔をした。…が、そのできあがった三角形を見てああ…とそれを指さして「三平方の定理だ」とか言いだした。

「いいか。直角二等辺三角形だろう?この辺の長さの比は1:1:√2。これが角度30度60度90度の三角形なら1:√3:2になる」
へー。
それでも起きないルフィがおかしすぎて、何だかこの公式だけは覚えられそう!そう私が感心している中ゾロがぽつりと言った。

「…ルートって何だ?」
「まさかのそこからなのか…」


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