超短編!〜平成 | ナノ
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いろんなビールを買ってみた

比較的大きめのスーパーに行くと、アルコールコーナーにこれでもか!っていうくらいたくさんの種類のビールが並べてあったので感動して一つずつ買ってみた。
家に帰ってごはんの支度をしつつ、暑い暑いって言い訳するように呟きながらその一つを開けてみる。プシュッ!いい音がして思わず顔がにんまりした。

「晩飯なに?」
「焼き魚だよー」

家へとやってきたローが開口一番そう聞いたので、長方形のお皿に乗せたアジを見せてみた。嬉しそうな顔をした彼にえへへって笑い返しながら側に置いてるビールを一口。

「先に飲んでやがるのかよ」
「暑くってさー。うーん!これ、おいしいわ!」
「何だそれ」
「季節限定だって!キウイテイスト。意外にイケるよ」
「俺にもくれ」
「ごめーん。一個ずつしか買ってないんだ。別のやつでもいい?」
「分けろ」
「飲み干しちゃった」

あはは…と、苦笑いしながらそのビールの缶を逆さまにして無くなったアピールをしてみれば、ローは不機嫌そうな顔をするも、すぐさまニヤりと良くない笑顔を浮かべると共に私に近づいた。


「味見させろ」


そう言って、唇が合わさって、舌が入って、うりうりと口内をくまなく彼の舌が這いまわった。空き缶を落としそうになった。


「…よくわからねェな」


ク…とローは笑いながら口を離してそう言った。
わかったもう一本買ってくる。
ついでに火照った顔をコンビニで冷やしてくる。


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