超短編!〜平成 | ナノ
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カラフル!D

「おい、お前。誕生日に何が欲しいか言え」

…と。
ある日そう言われた。
そろそろ聞かれる頃だと思っていたので特に驚きはしなかった。
この兄弟が私のバースデーを祝ってくれるのは毎年の恒例行事なのだ。
途端にイチジを始め、ニジ、ヨンジ、そしてサンジの視線が一気に集まる。
私がそれぞれに何が欲しいか言うのを彼らは待っているのだろう。
私はそして、前から用意していた台詞をみんなへと告げた。

「お金のかかってないものなら、何でも」
「「「はぁああぁ??!!」」」

するとサンジ以外の兄弟の素っ頓狂な声がこだました。
兄弟は開いた口を塞ぐのも忘れ、身体を固まらせてもいた。
どうやら私の言った言葉の意味が理解できにくいようだった。
ちなみに去年は何が欲しいか聞かれたとき、『何でもいい』とだけ言った。それがもたらす結果なんて考えもせずにだ。で、私はその後もらったカラフルな包装紙で包まれたプレゼントを見て学習した。ヴィンスモーク家の子息がいかに莫大なまでのお金持ちで、かつ、あまりに世間・常識知らずだということを!

「お前、正気か!?」
「うん」

目をぱちくりさせながらイチジが問う。
そしてその後、驚愕の表情のまま彼は一言言い放った。


「そんな無理難題…。お前!!かぐや姫かよ!!?」


…。姫になったつもりはないんですけど。



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